［ライフ］映画にも登場の“レトロな街”中津高架下　立ち退きに「ノー」道路占有者ら、今月中に橋下市長に署名提出へ　大阪・キタ＋（1/2ページ）（2013.7.31 13:17）

　南海トラフを震源域とする巨大地震などに備え、大阪市が耐震化工事を計画している中津高架橋（全長６６２メートル、大阪市北区）の高架下で、飲食店などを営業する道路占有者らが、今年度中の立ち退きを求められていることが分かった。戦時下には市民が集い、今も「レトロな街」として若者に人気を集める一角。「突然出て行けと言われても…」と反発する店主らは、占有権の存続を求める署名３千筆を集め、近く橋下徹市長に提出する。（岡野祐己）

　国道１７６号が上を通る中津高架橋は、市が昭和７年に築造。市建設局によると同１０年ごろから希望者に道路占有権を与え始めたといい、現在も２５業者が高架下の１２０区画で飲食店や工場などを営む。

　緒形拳さん主演で昭和５７年に公開された東映映画「野獣刑事」のロケ地となったほか、テレビの情報番組で取り上げられたことも。情報誌でも「都心に取り残されたレトロな街」と紹介され、若者向けの店舗も多い。

　だが市は「老朽化が進んでいる」として高架橋の耐震化工事実施を決め、今年３月、平成２５年度中の立ち退きを文書で通知した。工事が終わっても、「頻繁に安全点検しなければならず、営業を続けることは難しい」（市建設局路政課）ためだ。