思い出のヤマハスタジアムでゴールを狙うグランパスのFW矢野(左)=トヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスのFW矢野貴章(29)が1日、改修を終えたヤマハスタジアムで3日にある磐田戦で「こけら落としゴール」を狙うと語った。矢野は浜松市出身で、ヤマハスタジアムには少年時代に通い詰めた。思い出の場所のモデルチェンジを、自らの得点で祝福する。
矢野にとってヤマハスタジアムは単なるアウェーのスタジアムではない。浜松育ち。中学時代は磐田の下部組織でサッカーに明け暮れた。そんな時期、矢野は毎週のようにスタジアムに足を運んでいたという。
「ちょうど磐田が一番強かった時代ですね。ボクはいつもメーンスタンドで試合を見ていました」。10数年前の記憶を、矢野は懐かしそうにひもといた。
矢野が通ったスタジアムは、3日の磐田−名古屋戦で節目を迎える。スタンドの一部増設や、ホームとアウェーのゴール裏スタンド入れ替えを目的とした改修工事が完了。この試合はこけら落としと銘打たれている。
磐田は記念イベントに歴代OBを招いて再出発を祝う予定で、矢野が少年時代にあこがれた選手も来場する。元日本代表FW中山雅史さんだ。矢野は語る。「ゴンさん(中山さん)のプレーはすごいと思った。ひたむきにボールを追い続ける。FWとしてのモデルがゴンさんでした」
思い出のスタジアムの新たな門出。スタンドには目標とした中山さんがいる。舞台は完璧に整う。矢野は「どんな形でもゴールを狙いたい」。7月22日のアーセナルとの親善試合ではチーム唯一の得点を挙げた。スーパーサブとして起用されている点取り屋が、ホーム同然の敵地で暴れ回る。 (木村尚公)
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