巨人−ヤクルト 9回裏2死一、三塁、中前にサヨナラ打を放ち、村田(右)らに手荒い祝福を受ける高橋由(中央)=東京ドームで(中西祥子撮影)
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◇巨人6−5ヤクルト
巨人がサヨナラ勝ちで6連勝した。2度のリードを追い付かれたが、9回に2死一、三塁と攻め、代打・高橋由が中前打を放ち、試合を決めた。5番手の西村が3勝目。ヤクルトは打線が粘ったが、バーネットがつかまり4連敗を喫した。
ヨシノブが決めた。乱戦に巨人・高橋由が一振りでけりをつけた。9回2死一、三塁のビッグチャンス。鈴木の代打として登場すると、バーネットのカットボールを中前へ。打球は全速力で前進し、飛びつく上田の前に落ちた。自身7度目となる2年ぶりのサヨナラ打。チームは今季2度目となる6連勝だ。
「何とか落ちてくれと思っていました」。お立ち台で声を弾ませる高橋由に万雷の「ヨシノブ」コールが降り注ぐ。祝福のウオーターシャワーで全身びしょぬれだが、顔には笑みがこぼれる。「何とかここで決めたいという思いでした」。本音が自然と口を突いていた。
那覇で一緒に自主トレをする中井ら若手が頭角を現した今季の巨人。左ふくらはぎ肉離れから復帰した後はベンチスタートの日も多くなった。しかし、心は折れてはいなかった。スタメンではない時も声がかかるまで入念な準備を進めていた。
「代打は『何とかしてくれる』という期待ではないかと思っています」と高橋由。この日も9回に長野が中前打で出塁すると、考えられる場面をシミュレーション。お呼びがくるのを今か今かと待っていた。そして、打席できっちりと結果を残す仕事人ぶり。指揮官も「切り札がよく、打ってくれた」と最敬礼した。
貯金を今季最多の24まで伸ばし、2位・阪神とのゲーム差は7・5。2日からの直接対決で2勝すればいよいよ、優勝マジック「43」が点灯する。もちろん、高橋由はここで虎に引導を渡す決意だ。「とにかく、明日(2日)の試合で勝てるように全力で頑張りたいです」。千両役者の眼は早くも次の大一番に向いていた。 (川越亮太)
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