参院選:世論調査とネット世論にズレ ツイート分析し比較
毎日新聞 2013年07月02日 10時06分(最終更新 07月06日 15時41分)
◇世論調査…年金・景気、つぶやき…原発・震災
毎日新聞と立命館大(西田亮介特別招聘(しょうへい)准教授)は6月30日、参院選へ向けたネット選挙共同研究の一環として、電話による全国世論調査とツイッター利用者の投稿(ツイート)内容を比較した。参院選で重視する政策を世論調査で聞いたところ、回答者の32%が「年金・医療・介護・子育て」を選び、「景気対策」が25%。ツイッター上では「原発」「震災・復興」への関心が高く、世論調査結果と「ネット世論」のズレが浮かび上がった。【石戸諭】
共同研究では参院選で議論されそうな政策テーマを中心に50のキーワードを設定し、同月28、29両日、「NTTコム オンライン」社の分析ソフト「バズファインダー」でツイッター上のつぶやき数を集計した(1000未満切り捨て)。
ツイッターのつぶやき数は母数がはっきりしないためパーセントでの数値化は難しいが、「原発」のつぶやき数が9万件と群を抜いて多く、続いて「震災・復興」が4万2000件、「憲法・改憲」が3万1000件に達した。一方、世論調査で「原発・エネルギー政策」を選んだ人は6%、「東日本大震災からの復興」は7%、「憲法改正」も6%にとどまった。
ツイッター上でも「年金・子育て」のつぶやきが2万9000件、「景気・アベノミクス」も2万3000件と、関心が低いわけではない。生活に身近な話題より、原発などの政治的な対立の大きいテーマに関心が集まる傾向があるようだ。
先週は鳩山由紀夫元首相が沖縄・尖閣諸島について「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」などと発言した問題がツイッター上でも話題になり、「尖閣」のつぶやき数が2日間の集計で3万件に達した。「北朝鮮」と合わせると4万2000件。世論調査の回答で「外交・安全保障」が6%だったことと比較しても、温度差があると言えそうだ。