Updated: Tokyo  2013/08/02 07:49  |  New York  2013/08/01 18:49  |  London  2013/08/01 23:49
 

8月1日の米国マーケットサマリー:S&P500種は初の1700台

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  8月1日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3205   1.3302
ドル/円             99.54    97.88
ユーロ/円          131.45   130.21


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,628.02     +128.48    +.8%
S&P500種           1,706.87     +21.14    +1.3%
ナスダック総合指数    3,675.74     +49.37    +1.4%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .33%        +.02
米国債10年物     2.71%       +.13
米国債30年物     3.76%       +.12


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,311.20    -1.80     -.14%
原油先物         (ドル/バレル)  107.67     +2.64    +2.51%

◎NY外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要16通貨全てに対して上昇。新規失業保険申請件数が5年ぶりの水準に減少したため、米金融当局が年内に月間の資産購入のペースを減速させるとの見方が強まり、ドル買いが入った。

前日に対ドルで6週間ぶり高値を付けたユーロは下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は当局が予見可能な将来において低金利を維持する方針であることを重ねて表明した。米雇用統計の発表を2日に控え、ドルは対円で上昇した。ブルームバーグが実施した調査によると、7月の非農業部門雇用者数は18万5000人増と予想されている。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の調査責任者、ダン・ドロー氏は「この日の米経済指標は非常に強く、非農業部門雇用者数が強い内容になることを示している。金融当局が近く緩和策を縮小するとの見通しを裏付けるものだ」と語った。

ニューヨーク時間午後3時3分現在、ドルは対ユーロで0.7%上げて1ユーロ=1.3215ドル。一時は0.8%上昇し、7月9日以来の大幅高となった。対円では1.6%高い1ドル=99円45銭となり、6月20日以来の大幅高。円は対ユーロで0.9%安の1ユーロ=131円41銭。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。S&P500種 株価指数は初めて1700を超えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日の声明で緩和策を維持する方針を示したのに続き、欧州中央銀行(ECB)もこの日、政策金利を過去最低水準で据え置いた。製造業活動の拡大を示すデータも追い風になった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比1.3%高の1706.87。ダウ工業株30種平均は128.48ドル(0.8%)高い15628.02ドル。

フェデレーテッド・インベスターズのチーフ株式ストラテジスト、フィリップ・オーランド氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「世界中で中央銀行は緩和姿勢を維持している。誰も中央銀行と争いたくはない」と述べた。「経済という観点に立てばあらゆるデータが景気の継続的な回復、労働市場の改善、予想を上回る企業利益を示している。相場は上昇を続けるはずだ」と続けた。

FOMCは前日、毎月850億ドルの債券購入を継続していく方針を維持した。継続的な低インフレが景気拡大の妨げになる可能性も指摘した。同日発表された4-6月(第2四半期)の米国内総生産(GDP)速報値は予想を上回る伸びだった。ECBのドラギ総裁はこの日、ユーロ圏経済が最悪期を脱したと示唆した上で、予見可能な将来において金利を維持する方針を強調した。

◎米国債市場

1日の米国債は下落。30年債利回りは2年ぶりの高水準に上昇した。新規失業保険申請件数が減少、米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数は2カ月連続上昇となり、金融緩和策の縮小を後押しする材料になるとの見方が広がった。

10年債利回りは約1カ月ぶりに大幅な伸びを記録した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日の声明で「経済活動は今年上期に緩慢なペースで拡大したことが示唆された」と指摘し、月間850億ドルの債券購入を維持する姿勢を示したが、投資家は経済成長のペース加速を見込んでいる。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値によると、先月の米失業率は低下が見込まれている。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は「統計内容は非常に素晴らしい。米金融当局が資産購入の縮小を開始できるようなペースで成長する可能性を示唆している」と述べ、「2日発表の雇用統計が予想以上に良好な結果になるとの楽観がある。投資家は米国債に対し、ロングポジションよりはむしろショートポジションを取るだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時31分現在、10年債利回り は前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.69%。同年債(表面利回り1.75%、償還2023年5月)価格は30/32安の91 30/32。

30年債利回りは11bp上げて3.74%と、2011年8月以来の最高をつけた。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は3日続落。予想を上回る米経済指標を受けてドルが上昇したことを背景に、代替投資として金買いが後退した。

ドルは主要16通貨すべてに対して上昇。先週の週間失業保険申請件数は前週比で減少し、約5年ぶりの低い水準となったほか、7月のISM製造業景況指数は約2年ぶりの高水準となったことで、金融当局が年内に資産購入のペースを減速するとの観測が強まった。

ロジック・アドバイザーズのパートナー、ビル・オニール氏は電話インタビューで、「きょうの経済指標はどれも予想より好調だった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.1%安の1オンス=1311.20ドルで終了した。3日続落は6月下旬以来の最長。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油相場は続伸。約3週間ぶりの大幅高となった。米国と中国で製造業の景況改善が示されたことが好感された。またリビアの原油積み出しターミナルが労働争議の影響で閉鎖されたことも買いを誘った。

米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数は前月から上昇し、約2年ぶりの高水準となった。中国の製造業活動を示す購買担当者指数(PMI)は市場予想に反して上昇。リビアのアルシ石油相は前日の時点で、一港を除いてすべての港が操業不能になったと発表し、原油の輸出能力は80%近く低下するだろうと述べていた。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の石油市場調査グローバル責任者、マイク・ウィットナー氏は「原油に関して言えば、マクロ経済ニュースは明るい内容だ」と指摘。「リビアからの輸出が一時的に減少すれば、ブレント価格を押し上げるのは間違いない。ひいてはウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)を含め石油全般を支えるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比2.86ドル(2.72%)高の1バレル=107.89ドルで終了した。値上がり率は7月10日以来で最大。終値としては7月19日以来の高値。

更新日時: 2013/08/02 05:18 JST

 
 
 
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