米国株:S&P500種は初の1700台-緩和継続と経済統計で
8月1日(ブルームバーグ):米株式相場は上昇。S&P500種 株価指数は初めて1700を超えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日の声明で緩和策を維持する方針を示したのに続き、欧州中央銀行(ECB)もこの日、政策金利を過去最低水準で据え置いた。製造業活動の拡大を示すデータも追い風になった。
S&P500種の業種別10指数はすべてが上昇。米生保最大手のメットライフと消費財のプロクター&ギャンブル(P&G)はいずれもアナリスト予想を上回る決算を材料に上昇。アニメーション映画のドリームワークス・アニメーションSKGは大幅増益で買われた。一方、利益が予想を大きく下回ったエクソンモービルは値下がりした。
S&P500種 株価指数は前日比1.3%高の1706.87。ダウ工業株30種平均は128.48ドル(0.8%)高い15628.02ドル。
フェデレーテッド・インベスターズのチーフ株式ストラテジスト、フィリップ・オーランド氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「世界中で中央銀行は緩和姿勢を維持している。誰も中央銀行と争いたくはない」と述べた。「経済という観点に立てばあらゆるデータが景気の継続的な回復、労働市場の改善、予想を上回る企業利益を示している。相場は上昇を続けるはずだ」と続けた。
FOMCとECBFOMCは前日、毎月850億ドルの債券購入を継続していく方針を維持した。継続的な低インフレが景気拡大の妨げになる可能性も指摘した。同日発表された4-6月(第2四半期)の米国内総生産(GDP)速報値は予想を上回る伸びだった。ECBのドラギ総裁はこの日、ユーロ圏経済が最悪期を脱したと示唆した上で、予見可能な将来において金利を維持する方針を強調した。
ハンティントン・アセット・マネジメント(オハイオ州コロンバス)のランディ・ベイトマン最高投資責任者(CIO)は電話取材に対し、「相場が大台に乗せると人々の関心が集まる」と指摘。「様子をうかがっていた大量の資金がこれから流入してくるかもしれない。強気な状況だ」と述べた。
米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数は前月から上昇し、約2年ぶりの高水準となった。中国や欧州でも予想を上回る製造業の拡大が示された。
米労働省が発表した先週の新規失業保険申請 件数(季節調整済み)は、前週比1万9000件減少の32万6000件。これは2008年1月以来で最低だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は34万5000件だった。
非農業部門雇用者数米労働省は2日に7月雇用統計を発表する。ブルームバーグが80人以上のエコノミストを対象にまとめた調査によると、非農業部門雇用者数は18万5000人の増加、失業率は7.5%への低下が予想されている。
この日の相場上昇は景気の変動に敏感な銘柄が率いた。モルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.8%上昇。ダウ輸送株平均株価は3.2%上げた。
KBW銀行株指数は1.9%上昇し、構成24銘柄すべてが値上がり。アメリカン・エキスプレスは2.5%高。バンク・オブ・アメリカは2.4%上昇。
メットライフは6.3%急伸。一部の投資業績を除いたベースでの1株利益はブルームバーグがまとめた予想を上回った。
P&Gは1.7%高。利益がアナリスト予想を上回った。2カ月前に最高経営責任者(CEO)に復帰したA・G・ラフリー氏の業績てこ入れが奏功した。
ドリームワークスは8.8%の大幅高。映画「ザ・クルッズ」のヒットが寄与し、75%の増益となった。
エクソンは1.1%の下げ。製油事業の利益率落ち込みが響き、1株当たり利益はアナリスト予想を18%下回った。
原題:S&P 500 Climbs Above 1,700 on Stimulus Bets, EconomicReports(抜粋)
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更新日時: 2013/08/02 06:16 JST