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慈恵医大も論文不正 ノバルティス同一元社員が関与

写真:記者会見で頭を下げる調査委員長の橋本和弘東京慈恵会医大教授(中央)ら=30日午後6時46分、東京都港区、西畑志朗撮影拡大記者会見で頭を下げる調査委員長の橋本和弘東京慈恵会医大教授(中央)ら=30日午後6時46分、東京都港区、西畑志朗撮影

 【今直也】東京慈恵会医大は30日、製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べた同大の臨床研究の論文について、「データが人為的に操作されていた」との調査結果を発表した。操作は同社の元社員によると強く疑われると指摘。「操作した証拠はない」とした同社の調査結果と食い違う。英医学誌に掲載された論文は「撤回が妥当」とした。

ニュースがわからん!(6/1)

 ディオバンの効果を調べた5大学の臨床研究で、データ操作などの不正が確認されたのは京都府立医大に続いて2件目。いずれも同じ元社員が関与しており、複数の大学で不正が指摘されたことで、ノバルティスへの不信は強まった。

 慈恵医大の調査委によると、大学が保有していた671人分のデータと最終統計データを比べると、血圧値86件(12・8%)の食い違いがあった。カルテが確認できた485人分のデータと大学保有データは一致した。操作は統計解析の段階でなされたと考えられ、解析は「大学の研究者は関与せず、元社員がすべて行った」とした。

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