事件【降圧剤データ操作問題】データ解析企業に“丸投げ” ずさんな大学の研究実態+(3/3ページ)(2013.7.31 00:09

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【降圧剤データ操作問題】
データ解析企業に“丸投げ” ずさんな大学の研究実態

2013.7.31 00:09 (3/3ページ)
製薬会社「ノバルティスファーマ」が販売する高血圧治療の降圧剤「ディオバン」を使った臨床研究データ操作問題で、記者会見中に頭を下げる橋本和弘調査委員長(中央)と、柳沢裕之調査副委員長(左)、加藤一人調査委員(右)=30日午後、東京都港区(大西史朗撮影)

製薬会社「ノバルティスファーマ」が販売する高血圧治療の降圧剤「ディオバン」を使った臨床研究データ操作問題で、記者会見中に頭を下げる橋本和弘調査委員長(中央)と、柳沢裕之調査副委員長(左)、加藤一人調査委員(右)=30日午後、東京都港区(大西史朗撮影)

「信頼しきった」

 では、なぜこのような臨床研究が行われたのか。

 平成12年、慈恵医大では内科が診療科単位に再編され、望月氏が循環器を統括する初代教授に就任。望月氏は再編で配属された医師の結束を強めるため、医局一丸で研究を行いたいと考え、新しい降圧剤のディオバンで大規模臨床研究を行う構想を立てたという。

 しかし、当時の学内には大規模臨床研究のデータ解析をできる研究者がいなかった。大学側はノ社に相談。紹介されたのが、ノ社の元社員(当時は社員)だった。姿を見せた元社員はノ社や大阪市立大非常勤講師などの肩書を記した4種類の名刺を見せたという。

 研究者の多くはデータ解析者がノ社の人間であることを認識し、疑念を持つ人もいたという。だが、データ解析者が変更されることはなかった。「医師たちが信頼しきっていた」と橋本委員長。完成した論文は、権威ある英医学誌ランセットに載り、ディオバンの評価した研究結果は、ノ社がさまざまな形で販売促進に使用していった。

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