暴言:復興庁幹部がツイッターで 見識疑う、つぶやき 関係者「本気で取り組んでるのか」
毎日新聞 2013年06月13日 東京朝刊
◇国会議員の質問通告受け「4問被弾。あー面倒」
◇自治体議会「余りのアレ具合に吹き出しそう」
国会議員から国会での質問通告が多数寄せられると、ツイッターで「今日も大量被弾なう」−−。福島県の被災者支援を担当する復興庁幹部の見識を疑うツイート内容が判明した。原発事故で多数の住民が故郷を追われ、今も将来を描けずにいる。「本気で支援に取り組んでいるのか」。関係者から怒りの声が上がった。【日野行介、袴田貴行】
ツイートの主、同庁の水野靖久参事官(45)は11日夜、毎日新聞の取材を受け、翌12日に同庁から事情を聴かれた。自身がつづったものと認めた模様だ。
水野氏は昨年成立した「子ども・被災者生活支援法」の基本方針のとりまとめ役で、国会議員の質問通告を受け大臣などの答弁を作成する立場にある。その質問通告が来るたび、「4問被弾。あー面倒」(昨年11月1日)などとふざけた調子でつぶやいていた。
「労働者の党が(質問)通告を出さないため、多数の労働者が深夜残業なう」(同10月31日)と、特定政党への不満をつづることもあった。
水野氏は福島県に頻繁に出張。同県のある自治体の議会について「田舎の町議会をじっくり見て、余りのアレ具合に吹き出しそうになりつつ我慢」(同11月15日)と小ばかにしていた。
同10月4日に「そろそろツイッターで本名さらすのは止(や)めようかな。今さら遅いかな」。以前は実名でつぶやいていたが、これ以降は「ninja rider」という仮名を使用。約1300人のフォロワーがついていた。
水野氏について、今年1月に参院議員会館で開かれた同法を巡る集会の参加者の一人は「腰が低く、丁寧に説明する人物だと思っていた」と驚きを隠さない。同法は与野党全会一致で成立したにもかかわらず、宙に浮いた格好となっている。水野氏は「政権交代で法律の中身の検討がストップしたが、改めて検討します」などと説明したという。
同法は国による住民の健康調査など幅広い被災者支援を求めている。具体的な支援策が一向にまとまらないことに疑問を呈する声が、県内外の住民団体から上がっていた。