むか~し、むか~し。
中国の「周」の時代。崑崙山からやってきた太上老君と呼ばれる大仙人が崑崙山の仙人達を連れて人々を脅かし、非道いことをしていました。
人々は度重なる飢饉や疫病、高額な税金により、痩せおとり、死んでいく者達がいました。
そんなある日、人々の前に巨大な竜が現れました。
頭はタコ、イカのような触腕を無数に生やした顔、巨大な鉤爪のある手足、ぬらぬらした鱗に覆われた山のように大きなゴム状の身体、背にはコウモリのような細い翼を持った姿をしていました。
人々は恐ろしげになりながらも幾つか訪ねると、竜はこう答えた。
「俺は腹が減った。だから貴様等を喰ってやる」
人々は恐ろしくなったが、ちょっとまてと言いたげに手らしき物で制止し、幾つか語り始めた。
「だが、此処にいるのは痩せ劣った奴らばかり…骨と皮を食う気にはならん。何があったか説明しろ」
そんな言葉に、人々は太上老君がやってきてからの悪行や圧制、飢饉疫病の話をし、竜は納得した。
「…ふむ、ならば此処に出来るだけ生きのいい人間を何人か連れてこい」
そう言うと、腕を組み、目を閉じてその場で待ち続ける。
人々は不安な気持ちでいっぱいになるものの、なるべく元気な若者達を連れ、竜の前に差し出した。
すると竜はとつぜんこんな事を話し始めた。
「貴様等を鍛えてやる。俺の技ならば生臭仙人達を倒せるだろう」
その後、竜の教えにより、気の使い方から人体の自然改造、など、若者達はまるで仙人のような神々しい姿に変わった。
若者達は太上老君達に挑みかかり、まるで嘘のように仙術が効かない者達に仙人達は恐れおののき、崑崙山に逃げ帰って行ったのだ。
平和を取り戻した人々は少しずつ元に戻り、竜に供物されようと、生贄を出したが。
「また今度にする」
そういって去っていった。
その後竜の伝えた技を「九頭竜」と呼ばれる。
日本のとある山中。
古来から神隠しに会うと言われる山の中に妙な格好の青年が一人で登っていた。
白い装甲に関節部には黒い伸縮性の高い繊維が着けられ、手の甲や指を覆う黒い装甲板が貼られている。
背中に背負うのはHK417とガリルMAR。
とても登山家とは思えない格好の青年は後頭部からヘルメットを展開し何かをし始める。
「…そろそろか」
再びヘルメットを後頭部に納め、その先にある何かを目指す。
「…此処か」
歩みを止めると、其処は神社にある鳥居と参道が見受けられた。
辺りを見渡し、参道を通って行く。
青年は張り詰めた空気の中、バックパックからタウロス レイジングブルとUSPを取り出し、構える。
千本鳥居のごとく並んだ参道をゆっくりと歩き、辺りを気配で探る。
次の瞬間、何かが後ろから迫る感覚を覚えた。
すかさず踵を返し、二挺の銃でそれに撃ち放つ。
最初の一発はそのまま何かの頭部と右胸部を撃ち抜き、倒れ伏せるが、もう一体は横に飛び退き、回避する。
マグナムをしまい、USPを両手で持ち、襲いかかる者に数発撃ち込んだ。
「!?」
.45ACP弾頭は右二の腕、左胸二発を貫き、その者は倒れ伏せる。
「…two down」
一言呟き、向き直る。
懐から.45ACP25連ロングマガジンを取り出し、取り替え、コッキングをする。
もう片方からガリルMARを構える。
「…大盤振舞…だな!」
その声に応じるように、陰という陰から先程の白装束の異形が現れ、釵と呼ばれる琉球古武術の武器を両手に構え、襲いかかって来た。
素早く身を翻し、腕を交差させて、対象に5.56㎜と.45ACPの弾頭を喰らわせ、排除した。
しかし其れだけでは終わらない。
パラシュートのような物を展開させ、宙に浮かぶハッ〇リクンのリアル見たいな者達が弓を構え、矢を放とうとすれば。
同じ様なヤツらがクナイやら手裏剣やら持ち、投げてくるのである。
「…てめぇら出て来すぎだろうが!」
そうは言うものの、ガリルMARとUSPの弾丸が切れるまで撃ち放ち、ハッ〇リモドキを撃退してゆく。
鳥居を障害物代わりにカバーし、両方の弾倉を替え、相手の猛攻の隙を見ながら、走り撃つ。
最早人の声とは言えぬ蝦蟇のような叫びを上げ、消えるように無くなって逝くと、更に猛攻を仕掛ける。
「猪口才な!!」
懐からもう一つ。手投げ弾の様な形の者をガリルの銃口に装着し、狙いを定めてトリガーを引いた。
其れが異形達のいる中心まで飛び込み、その一帯を吹き飛ばし、異形達を滅ぼした。
「持ってて良かった、ライフルグレネード…」
木っ端みじんになった参道の石畳を一瞥し、本堂に入っていった。
本堂の中は学校の体育館程の広さがあり、先には大の大人三人が目一杯腕を伸ばして円を作るくらいの太さの柱が両側四本ずつに立てられている。
青年はキシキシと音を立て、奥に向かう。
その視線の先には、赤く光る宝玉の様な物が神殿の真ん中に安置されていた。
「…あれだな」
一言呟き、足取りを早め、神殿手前まで進んだ瞬間、巨大な火の玉が真っ直ぐ飛んできた。
「…!?」
それをレイジングブルで数発撃ち込み、火の玉を掻き消す。
「…全く…荒っぽい」
レイジングブルの弾倉から薬莢を捨て、六発の.454 Casullを装填し、弾倉をセットする。
その前に居たのは、全身を炎で身に纏った、九尾の大狐である。
『…小僧…よくも我が眷属達を…』
「遺産回収の為です。コレをそのままにしてしまったら、世間的に不味いので…」
『紅の宝玉は渡さん!我が力の源を見逃すつもりもない!!』
怒りを表しているのか、九尾が扇のように広がり、纏った炎が更に燃え上がる。
交渉決裂(話の通じる相手でないが…)となり、一筋汗が流れるものの、諦めたように、HK417を右手に取り、銃口を前に向けた。
「…なら…回収させていただく…後…」
「アンタらが盗んだんだろう!!」
ある意味一方的な戦いだった。
417の7.62mm×51弾頭はほぼ一点に撃ち込まれ、ガリルMARの5.56mm×45弾頭が目や鼻、口内に弾倉を一挙に使い、ダメージを与える。
『ガァアアアアア!!』
痛みと怒りが交わる中、大量の火玉を作り出し、青年に向ける。
「おおっと!」
大量の火玉が襲いかかり、すぐ横の柱の中に隠れた。
『滅びろ下等な人間め!我等は何千年も生きてきた大妖怪だぞ!!』
「年数よりも、それだけ生きてきた"質"の方を優先したらいいと思うが…」
狐は威張り散らしては居るものの、あれだけのライフル弾を喰らい、息も絶え絶えの状態である。
二つの銃の弾倉を替え、背中に背負いこみ、レイジングブルをホルスターから抜く。
「…段々自分が悪者に見えてきた…今回は見逃すから、どっかに消えてくれ…」
『なん…だと…?』
「宝玉が無くとも、此処は霊地。大人しく静かにしていれば何もしない」
『……貴様!』
「それじゃあ…」
狐の怒りを何とも思わないまま、踵を返し、宝玉のある神殿に歩みを進めた。
『…さ…させるかーーーーー!!』
狐は最後の力を振り絞り、己の炎の全力を繰り出した。
「…すまない」
迫る巨大な火玉に向き直り、レイジングブルの銃口を向け。
「どうにも交渉は苦手だ…」
銃身から電気が走り、撃ち出される。黒い光を身に纏った弾丸は火玉を撃ち破り、霧散させながら、狐の額を貫き、破砕した。
火の粉が散り、赤く染まった本堂は灯火のように消え去ってゆく。
「…グッバーイ…大妖怪殿」
一言言い残し、彼は宝玉を手にした。
辺りは静かになる。
あの狐が居なくなったせいなのか、神社は一気に老朽化し、潰れて砂と化していく。
長い参道も何千もの鳥居も、形骸化し崩れていった。
「…これで…終わりか…」
星の見える夜空を見上げながら、センチメンタルな気分を噛み締める。
「…さて…帰るか…」
「…ハァ…ハァ…」
中国のとある遺跡。
一人の少女が走っている。
オールドグリーンの防弾ジャケットに黒のミニスカートと、遺跡発掘にはあまり不向きな格好の少女はアームスコー MGLに40㎜グレネード弾を詰め、数発辺りにぶっ放す。
「にゃろめ!」
続いてフルオートショットガンのMPS AA-12をセルフ三連バーストで撃ち放ち、US M67を三つ投げ込んでから脱兎する。
少女を追う者達は過剰とも言える攻撃に殆どが傷を負い、消滅してゆく。
曰わく吸血鬼の下っ端、スードラ達はヴァンパイアに噛まれているが日光に耐性があり、血をあまり吸わなくとも生きていられるが、あまり強くなく、おおよそ喧嘩の強い程度。
そのため軍隊のように組織されていることがあり、日光の当たれない主に血を手に入れたり、情報網を構築したりと、補助的なことをする。
少女を追うスードラ達は、森に逃げ込んだと考え、すぐさま体勢を立て直し、中へ入って行く。
しかし、次の瞬間。
[やっほーい!!ノロマさん達!元気にしてますか?]
その声に反応し、陣形を構築していく。
何があるか分からない中、突然上から真下に向かう風にさらされ。
[そな、さいなら~]
断続的に撃ち出される25㎜機銃がスードラ達の体を貫き、滅ぼしていく。
彼女はVOTL機のF-35Bに乗り、GAU-22/A 25mm機関砲で掃射を行ったのだ。
[最後のオマケだーーーーー!!]
トリガーを引くと、ミサイルハッチから小型ミサイル、三発が回転するように発射され、そこ一帯を爆散させた。
残ったのは焦土の土地。焼き畑農業の比ではない火力が周りを焼いた後、少女はF-35Bの操縦桿を後ろに引っ張り、交代した後、すぐさま辺りからすっ飛んでいった。
其れでは、はじまり....
マジものの一次創作を書きました。モチーフ等はあるとは思いますが、其処をご了承下さい。
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