維新の会:橋下共同代表、続投 慰留受け辞意撤回
毎日新聞 2013年07月27日 20時53分(最終更新 07月27日 22時54分)
日本維新の会は27日、東京都内の国会議員団本部で参院選を総括する執行役員会を開いた。橋下徹共同代表(大阪市長)は「大阪の改革に専念したい」と辞意を表明したが、石原慎太郎共同代表ら国会議員団が慰留し、続投が決まった。また野党再編について松野頼久・国会議員団幹事長を中心に他野党と協議を進める方針も確認した。
役員会で橋下氏は大阪都構想実現に向けた協議が大詰めを迎えることを挙げ「大阪の改革に専念すると国政の勉強もできなくなり、形式的だけの共同代表になってしまう」と辞意を表明。出席者からは「我々がカバーする」などと慰留が相次いだ。
橋下氏は「形式だけの代表では党内に禍根を残す」と渋ったが、石原氏が「君が辞めるとオレは死んでしまう」と自らの辞任もちらつかせて続投を要求。平沼赳夫代表代行が多数決での採決を提案し、橋下氏や松井一郎幹事長(大阪府知事)ら大阪系幹部を除く賛成多数により続投を決めた。
参院選で8議席の獲得にとどまった維新は、橋下氏抜きでは存在感がさらに低下する。選挙前に石原氏が橋下氏を批判するなど食い違いも表面化しただけに、橋下氏は切り札の「辞任カード」を使って党内の求心力回復をはかった形だ。
一方で、橋下氏側には石原氏ら旧太陽の党側との分裂論がくすぶる。橋下氏は維新、民主、みんなの党の3党の一部勢力を結集する新党構想を提唱しているが、民主やみんなには、保守色が強すぎる旧太陽系議員への警戒感が強い。再編を模索する他野党の幹部は選挙前に橋下氏に電話で「維新の低迷の原因は旧太陽との合流だ」と旧太陽系議員との分裂を求めた。
松井氏は役員会で「野党がバラバラで巨大な与党に対峙(たいじ)していては、与党の独断専行を許す」と述べ、野党勢力の結集に意欲を示した。橋下氏側からも野党再編を優先して旧太陽系との決別を模索する動きが出ている。【阿部亮介、山下貴史、村上尊一】