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高橋洋一の俗論を撃つ!
【第41回】 2012年6月14日
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高橋洋一 [嘉悦大学教授]

6・13 国会公聴会
私が述べた消費税増税反対の10大理由

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歳入庁の創設が先

 ⑤について、不公平の解消のためには、民主党が政権交代前に公約していた歳入庁(国税庁と年金機構の統合)や消費税にインボイス方式の導入という先進国では当たり前のことをやれば、かなり解消でき、税・保険料も20兆円近く増収になる。

 税・保険料の徴収インフラとは国税庁と年金機構が一体化する歳入庁だ。歳入庁は国民にとっても一ヵ所で納税と保険料納付が済むし、行革の観点からも行政の効率化になる。海外では、米国、カナダ、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェーが、歳入庁で税と社会保険料の徴収の一元化を行っている。東ヨーロッパの国々でも傾向は同じで、歳入庁による徴収一元化は世界の潮流と言ってよい。

 しかし、歳入庁の創設は財務省にとって都合が悪いらしい。国税庁は財務省の植民地になっており、国税権力を財務省が手放さない。私が安倍政権で旧社保庁を解体し、歳入庁を創設しようとした時にも激しく抵抗した。今の野田政権は、財務省のシナリオ通りに動くので、歳入庁が創設されるだろうか。

社会保障目的税化の誤り

 ⑥について、今回の増税案では消費税を社会保障目的税化しているが、そうしている国は寡聞にして知らない。社会保障は、助けあいの精神による所得の再分配なので、国民の理解と納得が重要だ。

 というわけで、日本を含めて給付と負担の関係が明確な社会保険方式で運営されている国が多い。もっとも保険料を払えない低所得者に対しては、税が投入されている。ただし、日本のように社会保険方式といいながら、税金が半分近く投入されている国はあまり聞かない。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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