2013年07月28日

 ここのところ、参議院選挙をうけてのエントリーが続いておりますが(参議院選挙でネットがうまく活用されなかった1つの原因池上彰氏の選挙特番がうけた理由)、ブログ名にもあるとおり、もともと政治ネタをメインでいこうとおもって始めたブログですので、ご了承願います。

 社会民主党の福島瑞穂党首が参議院選挙の結果を受けて、党首を辞任すること及び、脱原発を訴えて当選した山本太郎氏と協力していく姿勢を示したことをうけて少し。


1 市民運動

 あくまで私の偏見にすぎませんが、いわゆる「市民運動」に参加されている方々は自分たちの運動こそが政治を変えることができると思っているのではないかと考えています。

 そういう意味で、今回の山本太郎氏に対する支持はある意味で、彼らの1つの理想型であり、こうした運動に参加する人々増えていけば、自分たちの意見に賛同してくれる人達が増えて望ましいことだと考えているのではないでしょうか。

 ただ、難しいのはここから先で、そのために熱心に活動に参加したり、他人に対する勧誘活動を行ったりすればするほど、周りの人から胡散臭い目で見られたり、自分たちだけで集まるようになる傾向があることです。

 結果、特定の方々に対する支持は得ることができますが、これがこれ以上大きなとして広がるかというと個人的にはかなり疑問です。


2 宗教との類似性

 ここから先も私の偏見ですが、こうした「市民運動」は自分の信じるものが絶対であると考える傾向が強いために、どことなく宗教活動と似たような行動パターンを示すと思っています(震災がれき受け入れ反対と新興宗教)。

 余談ですが、私は公明党と共産党の支持母体はかなりの類似性を持っているのではないかと考えています。つまり党に対する強い信頼と結束を維持している点で、一家そろって共産党(創価学会)の支持者が多いことや、結果、子供もそうした影響を受けて、拡大再生産に成功している点などです。

 その点、共産党と同じような施策を掲げながら失敗してしまったのが社民党ではないのでしょうか。社民党は広く支持母体と広げようとした結果、こうしたコアな支持母体を形成することができず、勢いを失ってしまったというところかと思っています。


3 施策の実現性

 そして一部では、社民党の党首に菅直人氏を迎えてはどうかという意見もあるようですが、個人的にはそれもありかと思っております。

 というのは、彼も「市民運動」出身者で、もし社民党が今後もこうした「市民運動」に軸足を置いて活動をしていくというのなら、そうした選択肢も1つの方法ではないでしょうか。

 ただ、以前も書いたとおり(市民運動家と政治家の違いと原発停止)、私はこうした「市民運動」には否定的です。原発反対でも消費税反対でも良いのですが、では反対して止めさせればそれでことが解決するのかという話です。

 原発でも消費税でもそれが提唱されのには、理由があり、その根本原因をどうするか、原発なら廃止した場合、代替エネルギーの問題をどうするか、既に原発関連で生計を維持している人の今後の生活をどうするかなど、いろいろ考える問題は多いわけですが、それらを全て無視して、「反対」というだけで、どこまで支持が広がるかという話もあると考えます。


4 最後に
 
 政治に限らず、どこの世界でもブームのようなものはあり、「世論」とか「国民の期待」とかいろいろな言葉で言われます。それに乗っただけの政党がどのような目にあうかは今回の民主党の凋落が全てを物語っているように思います(細野幹事長と民主党と理想論)。

 政治とは所詮、利益の再配分なので、問題はその先にある施策の実現、如何に国民(自分たち)に利益が還元されるかという話になるわけですが、それに成功したのが自民党ではないでしょうか。

 無理矢理まとめると、そうした利益の配分なしにも、自分たちを「信仰」してくれる支持者を捕まえることに成功したのが公明党と共産党で、利益の配分すると言っておきながら配分できないために支持者を失ったのが民主党といったところでしょうか。

 そして、理想論だけ掲げて、具体的に配分を示すことさえしなかったのが社民党で、結果それが長期低落傾向の原因となっているのではないかと考えます。



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凜amuro001 at 03:36│コメント(19)トラックバック(0)日本政治 │

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この記事へのコメント

1. Posted by solas   2013年07月28日 19:07
かなり以前の実話ですが、

私の地区で人口が急激に増え、町では新たな小学校を近くの大川沿いに新築する計画を立てました。

ところが、その地区の婦人会の一部から反対の声が上がり、大きな反対運動となって代替え地もなく中止になった事件がありました。

その理由は判然とせず、大川の近くに小学校は危険だ!、小学校の時に溺れた同級生の死に顔が忘れられない!。
との事で、私とか少数としては、それでは理由にならないのでは、の声は婦人会の大声に完全に無視・否定されました。

リーダーには言いだしっぺではなく、地区の人望のある夫人が祭り上げられました。これによって運動は決定的に纏まってしまったのです。

何年も後のこと、誰々が土地を売りたくなかったとか、利権のある議員が裏にいたという噂が流れていました。

この経験から、私は市民運動にはデマ、陰謀、理由のない熱狂と、常に宗教の様な危うさを含む大きな危険性を常に考える様になり、
今では、市民運動の殆どを懐疑的に思っています。
2. Posted by ゆう   2013年07月28日 19:30
個別の事例をもって、「市民運動」一般を否定するのは、どうかと思う。要するに、「市民運動」というものが嫌いなだけでしょ。
3. Posted by solas   2013年07月28日 21:17
実話続き

・言いだしっぺの夫妻の妻は宗教家でインテリの旦那は、生活全般に妻のマインドコントロール下にあり、一心同体に走った。

・祭り上げられたリーダーの婦人は良識も人望も学歴もあるインテリであったが、同じ町内の夫妻らに説得され断れず、リーダーの旦那もインテリで良識のある会社員であったが、妻を全面的に信頼していてその行動に干渉しなかった。

・この人格者のリーダーの婦人が言う事ならと言う事で、地区の粗方の婦人は賛成に纏まってしまった。
それからは、発端の夫妻の熱気に押され、多くの婦人は子供の安全を!と言われると、同意せざるを得ない、次第に集団で熱を帯びてしまった。

・ほとんどの旦那は会社員で忙しく、妻を信頼している家庭ばかりで妻の行動に干渉はしなかった。

・利権者の陰謀の噂の裏付けは当然の事、取れていない。

これは反省です。

今の瓦礫処理問題も他の特定の市民運動も、似たように子供の放射能の恐怖を煽ってヒステリックな群集心理を作り上げている。

何処で間違ったかはこの実例を読めば、何処で防げるかも反省できるでしょう。

>ゆうさんへ
市民運動は危険で危うい物である事を十分認識していてほしい、嫌いとか否定ではありません。

これ等のインテリ婦人を見ていたが、本ブログ主とは全く違うタイプであった。
このブログ主の様な女性が日本にも増えてくれば、本格的な市民運動も期待できると思います。
4. Posted by まいちゃん   2013年07月28日 22:43
1 >一家そろって共産党(創価学会)
創価学会は公明党です。
よく調べてください。

社民党は「部落開放同盟」なるものが支持母体だったのでは?

細かいことを批判する気はありません。

>一家そろって共産党(創価学会)
このソースをご教授ください。
5. Posted by    2013年07月29日 00:06
>solas 様

 いろいろな「市民運動」があるので、一概に全てがダメというつもりはありませんが、元記事に書いたとおり、私は正直否定的です。

 私の限られた経験では、自分たちが正しいことをしていると信じて疑わない人が多く、議論もできなかったということがあります。

 もちろん、こうした方ばかりではないと思っておりますが、こうした方もいたのは事実で、具体的な問題解決を示すことが求められる「政治」とはかなり異なる行動パターンをとることが多いというのが私の感想です。
6. Posted by    2013年07月29日 00:08
>ゆう 様

 確かに一部の行動だけを見て全体を批判することはどうかと思います。

 しかし、今回の山本氏の反原発を見ていても、どうもかなりデマにおどらされているのではないかとしか思えない発言などもあり、私はかなり批判的です。
7. Posted by    2013年07月29日 00:14
>まいちゃん 様

 「一家そろって共産党(創価学会)」というのは、一家そろって共産党のところもあれば、一家そろって共産党のところもあるという意味で書いたものです。

 ソースですが、すいません、現在すぐ手元になく、昔そうした統計を見たことがあるとしか言えません。

 それは親と子の支持政党をアンケート手法で調査したもので、親世代が自民党支持でも子供は結構社会党支持などがおり、大分ばらけていたのに対して、親が共産党支持者の場合、子供がかなり割合で共産党を支持するという結果になっていたと記憶しております。
8. Posted by 涜名鬼 某   2013年07月29日 01:06
キリスト教徒で、その教会でボーイスカウト活動もしているのですが、そちらで論じられた「宗教化」における悩みがあります。どちらも親が熱心過ぎると、配偶者・子供が「引いて」しまって、単純再生産すらままならなくなり、世間一般以上のスピードで少子高齢化が進んでしまっているということです。まずボーイスカウトは全盛期の3分の1程度で、全人口が3分の1の韓国での人数より少なくなっています。まあ韓国やインドネシアといった元親米独裁国家だった所はエリート教育の一環として学校が積極的に活動を薦めているので盛んという事情もありますが。今ちょうど大会が山口で開催されるところで安倍総理も地元出身として挨拶に行くそうですが、彼が初詣で伊勢神宮に参拝した時に花束贈呈したのも神宮のボーイスカウト・ガールスカウトだったので、キリスト教だけと言う訳でもありません。しかしその一方で橋下市長が府知事の時には府の施設から大阪府の本部が追い出されたりしており、日本ではいまいち浸透できていません。教会の方は日本聖公会、英国国教会の日本支部みたいなものですがカトリックみたく支配従属関係という訳でもなく、良くも悪くも放任状態で、カトリックみたく聖像で観光客呼ぶ訳にもいかず、福音派みたく初詣で賑わう寺社仏閣に営業妨害しに行くなど積極的に外に出る程の元気も無いので40代でも若手扱いされる位に燻ってます。それらの活動がいわゆる一般的な日本人に受け入れられるようにするにはどうすればいいと思われますでしょうか。よろしければご助言願います。@lancelet1970
9. Posted by キンピーブログから参りました   2013年07月29日 09:56
凛様
BLOGOSに掲載の当該記事から、こちらへ伺いましたが、リンク先URLの通り、こちらの(厳密にはBLOGOS掲載の)トピについて、エントリがアップされております。詳しくはリンク先(通称がキンピーブログ)をご覧戴きたいのですが、日本共産党の分析や批判について扱う、ナンバーワンのブログです。常連投稿者は元日共党員や右派など幅が広く、なかには日共内部情報を提供したり、日共批判を趣旨とする電子書籍を上梓する常連もいます。

私はキンピーブログのいち読者に過ぎませんが、よろしければあちらのブログにコメントを投稿いただければと申し上げます。
10. Posted by TAMO2   2013年07月29日 21:31
こんにちは。強固な組織ってのは、どういう次第かカルト化する傾向がありますね。

そして、悩ましいのは、そういう組織が困難な時代にあっては生き残るということです。

例えば、書かれているように、日本の左翼思想組織については、旧来からの左翼では日本共産党、そして、新左翼については革マルが最大規模なのですが、どちらもれっきとしたカルト組織です。ちなみに、9さんが示された本は小生が書きました。日本共産党と革マルのカルトっぷりを示しています。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00DI7NAHW

社民党は、元々は労組(総評)の政治部でしたが、連合が民主党を主要に支援した時点で終了していますね。その後、市民主義という「鵺」に依拠しようとしましたが、市民社会が#存在しない#日本では無理なことでした。
11. Posted by    2013年07月29日 23:18
>涜名鬼 某 様

 実は私が常々疑問に思っているものに、日本人は戦後アメリカ文化をあれだけ受け入れ、資本主義的思考も当然の如く受けいれたのに、何故キリスト教だけは受け入れなかったのかという疑問があります。

 ウェーバーではありませんが、資本主義とピューリタニズムは確かに深い関係があると思っており、機会を見つけては、いろいろ考えているところです。

 アメリカの影響を受けた韓国でもあれだけのキリスト教がいることを考えると何故日本はそうならなかったのか、本当に疑問です。

 何か思いつくことがあれば、書いてみたいと思っています。

 余談ですが、中国の発展もキリスト教的思考とは無関係ですが、あれは物欲主義で、ピューリタニズムとは全く異なるものと考えています。
12. Posted by    2013年07月29日 23:22
>キンピーブログから参りました 様

 紹介いただいた記事を拝見させていただきましたが、私の書いたものに対してどのような感想を持たれているのか今一良くわかりませんでした。

 そのため、確かに興味深いサイトではありますが、どのようにコメントを書いたら良いのかわからないとうのが正直なところです。
13. Posted by    2013年07月29日 23:26
>TAMO2 様

 今回「宗教」という言葉を使ったので、いろいろそれについてのご意見をいただきしたが、コメントに書かれていたとおり、「カルト」という言葉を使えば、よりぴったりきたと、今さらながら思っているところです。

 やはり、自分一人で考えているといろいろ袋小路に陥ることがあり、皆様のコメント、大変有り難く参考にさせてもらっております。

 おっしゃるとおり、革マル派の行動なども確かにカルトという視点から見ていけばかなりしっくりくるものがあります。
14. Posted by Show_No_Mercy   2013年07月30日 00:58
貴説を拝見致しました。

簡略に言えば、共産党、公明党(創価学会)=宗教カルトということでいいでしょうか。しかし、残念ながら今回の都議選、参院選をうまく説明しているようには思えません。

まず第1に、共産党は長らく低落傾向にあったこと。はっきり言ってずっと負け続けてきた。「コアな固定票」があると言われながら勝てない、ということはその「コア」な層自体がきわめて脆弱であったと結論付けざるおえないのではないか。今回、共産党が躍進した理由を組織もしくは支持層の「カルト性」に求めるとすれば、少なくともこの20年くらいの政治の動きを無視していることになる。

次に社民党がその「非カルト性」によって勢いを失ったのか、ということです。社民党の前身である社会党は、ご承知の通り55年体制の一極を担う大政党だった。社民党に衣替えして、衰退の道をたどっている理由はやはりその政治路線に求めるべきでしょう。社公民路線の破綻、自民党との対立から連立への転換こそ清算されなければならない。「カルト性の有無」を云々する角度では何とも浅すぎる、表面的な議論にしかならない。

付け加えて言えば、「市民運動」についても狭隘で皮相な見方ではないか。一口に「市民運動」といっても、在特会もあるだろうし、景観を守る、大規模店の進出反対から原発なくせ、までいろいろある。全てではないにして、運動に参加する人の多くには、それぞれの切実な事情がある。たとえば認可保育所の増設を求める運動。子どもを預けられないと働くことができない=食うことができないという切羽詰まった事情。ある種、「なりふり構わない」ところに追い詰められた状況を、経験できないにしても想像してみたらどうですか。
15. Posted by 平井政司   2013年07月30日 06:21
なるほど! 勉強さて頂きましたm(__)m
16. Posted by キンピーブログから参りました   2013年07月30日 15:09
凛様

レスをいただいたこと、お礼申し上げます。また、10番コメントを投稿されたTAMO2さんは、ご自身でも紹介されたとおり、「指導という名の欲望」の著者でもあり、共産趣味者界隈においては、筆頭に位置される方でもあります。

 キンピーブログへのコメントについて、考えておられるとのことですが、凛さんがアップされたエントリについての意見を、キンピーブログの管理人さんに直接おたずねされてもよいと思います。コメント欄への投稿を躊躇されるのであれば、メールアドレスが、リンク先URL(キンピーブログ)へ移動していただいて、ウィンドウ右側のプロフィール欄に表示されていますので、第三者を介さずに済みます。あのブログは口の聞き方も知らない若造や、特アの血債思想を正義と信じて押し付けまわる売国奴なども徘徊する、いわば弱肉強食の野生世界ですが、凛さんほどの方のコメントであれば、常連各位も歓迎されると思います。

なお、橋爪大三郎著『世界は宗教で動いている』(光文社新書)の某新聞掲載の書評を以下の通り記載しますので、よろしければご参考に。
===
 宗教が政治・経済とも密接に結びついている世界の実情を各宗教ごとに解説する。ウォール街の強欲の背景にあるのはプロテスタントの信仰で、イスラム教は平和のための宗教だという。
17. Posted by    2013年07月30日 22:53
>Show_No_Mercy 様

 当然これは1つの見方に過ぎませんので、これで全てが説明できるわけではありません。

 共産党の低落傾向は逆に「カルト」でありすぎたが故に、正当性などを巡って内部闘争が過激化したりして、一般の人々が引いてしまったという説明も可能かと思っております。

 社民(会)党は政権についた時に、自衛隊の容認等現実路線をとろうとしながら、結局それを徹底することもできなければ、もとに戻ることもできず、中途半端になってしまったという意味で、カルト化に失敗したという見方も可能かと考えます。

 市民運動については、いろいろなものがあるので、私の批判しているようなものが全てではないという意見はおっしゃるとおりかと思います。
18. Posted by    2013年07月30日 22:54
>平井政司 様

 参考になれば幸いです。
19. Posted by    2013年07月30日 22:58
>キンピーブログから参りました  様

 確かに、記事を書かれた意図を管理人に直接聞くという方法もあるかと思いますが、私自身あまりそうしたことをされると良い気がしないので、とりあえず今回は遠慮させていただきます。

 橋爪大三郎氏の著作には、私も大いに勉強させてもらっており、『世界は宗教で動いている』も大変興味深く読ませてもらいました。

 こうした本を出されると私如きが安直に「宗教」という言葉を使っているのが恥ずかしくなるというのが本当のところです。

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