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なぜ韓国サポーターは政治的な横断幕を掲げ、旭日旗に反発するのか?

フットボールチャンネル 7月30日(火)17時10分配信

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なぜ韓国サポーターは政治的な横断幕を掲げ、旭日旗に反発するのか?

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なぜ韓国サポーターは政治的な横断幕を掲げ、旭日旗に反発するのか?
横断幕で『歴史を忘れた民族に未来はない』とのメッセージ【写真:清義明】
日韓戦で破れられたタブー

 7月28日の東アジア杯の最終戦、日本代表−韓国代表。試合はザックジャパンの新戦力である柿谷曜一朗の2つのファインゴールが決まり、韓国代表も日本でもファンが多かったホン・ミョンボ新監督のもとに健闘を見せた。アジアの覇権を何十年も争ってきた両チームの伝統ある試合らしい白熱した好ゲームであった。

 しかしこの試合で、日韓の政治的なわだかまりをさらにエスカレートするような行為が、日韓双方の一部のサポーターから行われたことは各種の報道のとおりである。極めて残念なことである。

 韓国側からはゴール裏二階を完全に横断するほどの大きさの横断幕で『歴史を忘れた民族に未来はない』とのメッセージ。さらには試合開始直前には、韓国の英雄でもあり、伊藤博文の暗殺者である安重根と豊臣秀吉の朝鮮侵攻を撃退したとされている将軍の巨大な肖像幕が掲げられた。

 一方で日本のゴール裏では、巨大な旭日旗が翻った。韓国アウェイの日本代表戦で旭日旗がひるがえるのは自分の記憶ではない。これまで韓国戦での旭日旗の掲示は一種のタブーとなってきたからで、特に最近ではそのタブーを破ろうとする試みがあっても主催者判断で防がれてきたからだ。

 日韓それぞれのメディアでこれに関する情報が錯そうしているようなので、当事者や関係者へのインタビューも含めて現場での模様とこれに関するいくつかの情報をお伝えする。

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東アジア杯日本代表対韓国代表戦のスタジオ内【写真:清義明】
JFA管轄では禁止されている旭日旗

 まず日本の旭日旗。これまで日本サッカー協会の意向もあり、韓国戦でのスタジアム内への持込みや使用は事実上禁止となってきた。日本代表サポーター内でも、最近では自粛ムードが高まっていた。

 その背景サポーターには、2011年のアジアカップ日韓戦において、日本人を揶揄する行為をしたキ・ソンヨンが、その行為の理由としてスタジアムで旭日旗を見かけたのでその報復と証言(その後に撤回)、日韓の代表戦が政治問題化することを避けた判断があった。

 すでにJFAの試合運営管理規定では「政治・思想・宗教・軍事的な主義、主張、観念」を横断幕などにすることは禁止されている。なお本家FA(イングランドサッカー協会)のスタジアム安全規定でも、政治的・宗教的な主張をスタジアム周辺も含めて試合開催日に行うことは禁じられている。

 これにより日本のスタジアムでは、すでに「軍事的な主義・主張・観念」ということになり禁止行為となっているわけだが、問題は日本以外の主催試合で旭日旗が「政治的な主張」に該当するのかということになるだろう。

 この点、ACLにて日本のJリーグチームが過去旭日旗を韓国戦で掲揚した時のケースでもAFCの判断は特に下されていない。現在までのところ、試合主催チームや国の判断に委ねられているのだろう。

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最終更新:7月30日(火)17時10分

フットボールチャンネル

 
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