経済日中韓3カ国の物流データ共有へ 国交省 FTA視野に2013.7.29 21:05

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日中韓3カ国の物流データ共有へ 国交省 FTA視野に

2013.7.29 21:05 日中関係

 国土交通省は、日中韓の主要港湾コンテナ貨物の積みおろし状況について無料で企業が把握できるシステムを今年度内に開放する。3月に始まった日中韓の自由貿易協定(FTA)の第2回会合が30日から上海で開催され、今回は貿易分野を中心とした議論が行われる見通し。国交省はその進展もにらんで準備を進める。

 日中韓で稼働する新システムは「北東アジア物流情報サービスネットワーク」。それぞれの政府が持つデータベースを接続してシステムをつくることで合意しており、輸出入に携わる企業が登録すれば、当面無料で利用できるようにする。インターネットを通じて、相手国で貨物がどういう状況にあるか即座に把握でき、事故や遅延が起きた場合の対応がしやすくなる。日本企業の利用は、主に自動車や電子機器の部品メーカーを想定している。

 日本企業が中国や韓国で貨物の積みおろし状況を把握する場合、これまでは現地の代理店への依頼や港湾に直接、電話やファクスで問い合わせることが慣習となっていた。手間と費用が企業の負担になっていたという。

 国交省は今回のシステムを来年度以降、東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州連合(EU)にも拡大したい方針で、各国との調整を進めていく。

 国交省の調べによると、輸出入コンテナの取扱量は平成23年の速報値で1751万TEU(1TEU=20フィートコンテナ)と過去最高で、うち半分以上を日中韓の取扱量が占めている。取扱量は、20年秋のリーマン・ショック後に落ち込んだが、10年からは回復傾向にある。

 30日から上海で始まる日中韓FTAの第2回会合では、物品貿易やサービス貿易、税関手続などの分野で議論。進展次第では、航路の増便や新規開設といった動きが加速する可能性がある。

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