授業PPTファイル(社調3),事例PDFファイル(事例B)は,ネットワークドライブ社会調査(大塚)に置きます.
問題意識とは?
- 広辞苑「事態・事象についての問題の核心を見抜き、積極的に追究しようとする考え方」
- 大辞林「ある物事を、解決されるべき状態にあるものとして捕らえる意識」
- 新社会学辞典「解決すべき問題が何であるのか、その問題の重要度や他の諸問題との関連性などについて、研究活動に従事する認識主体がもつ自覚のこと」
問題意識を持つことから調査が始まる
- 社会の特定の事象に漠然とした関心がある。=こだわり、思い入れ
- 例:環境問題について、少子化について、新興宗教について、学力低下について、・・・・・
- 具体的な事象について疑問や矛盾を感じ、それを疑問文として表す。=問題意識の始まり
- 例:どうして情報化はオフィスの紙の使用量を減らさないのか?
- 関連する事情について知ることによって、問題に影響を与える要因を探る。=問題意識の深化
- 例:オフィス内の情報機器の導入、連絡方法、会議の進め方、紙や印刷機の価格などを調べる。
- ある種の紙使用は減らすが、文書や図表作成が簡単になって、別の種類の使用が増えるのでは?
- 問題の原因について考え、具体的な仮説を立てる。=問題意識の操作化
- 例:情報化が企業組織の紙の使用量に与える影響は、業務部門によって異なるのではないか?
- 情報化は事務部門での紙の使用量を減らすが、営業部門では逆に増やすのではないか?
- 【仮説】情報化は組織のコミュニケーションを活発化するので、逆に紙の使用量を増やす場合がある。
説明を行うための仮説の構造
「(A)だから(B)である」=「要因→現象」
- 説明したい社会現象(B)=被説明変数=従属変数
- 例:(環境情報学部なのに)「なぜゴミの分別が不十分なのか?」・・・・疑問文の形式にする。
- 考えられる要因(A)=説明変数=独立変数
- 上記(B)の「なぜ?」に対する答え=「(A)だから」・・・・理由を述べる。
例えば,
- 「分別の仕組み(可燃物と不燃物、アルミ缶とスチール缶の違いなど)を知らないから」
- 「社会的な問題に関心がない(自分がよければそれでよいと思っている)から」
- 「道徳や倫理にやたらうるさい人が嫌い(強制されるのがいや)だから」
- 「変数」=variable=「調査対象の人によって変化するもの(属性、意識、態度、行動)」
- この「変数」に基づいて、質問項目や質問文をつくることになる。
- 尚、質的調査の場合は、必ずしも「変数」を特定せずに調査を行う場合も多い。
仮説:「(A)だから(B)である」
「要因→現象」という形にする。これが(理論)仮説である。上の例では,
- 「仕組みを知らないから、ゴミを分別しない」(無知理論?)
- 「社会問題に関心がないから、ゴミを分別しない」(無関心理論?)
- 「ルールが嫌いだから、ゴミを分別しない」(反抗理論?)
事例:エミル・デュルケム『自殺論』(1897年) 中公文庫
事例PDFファイル(事例B)を参照してください.