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【千葉】

放射線量 除染基準超地点 ゼロ

 放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、重点調査地域に指定されている柏市が市内全域で行った調査で、放射線量が時間とともに低減(自然減衰)していることが裏付けられた。国が除染基準とする毎時〇・二三マイクロシーベルトを超える地点は、二〇一二年十月に三十四地点あったが、今年五月の調査ではゼロになった。 (横山大輔)

 調査は、自然減衰を裏付けるため一二年十月、一三年二月と五月の三回実施した。市内全域で計測機器を積んだ車を走らせ、人の集まる駅周辺は徒歩で調べた。

 一回目は六千五百三十九地点、二回目は一万六百四十七地点、三回目は一万五百八十六地点でそれぞれ、線量を計測した。

 この結果、平均値は一回目の毎時〇・一四〇マイクロシーベルトから〇・一〇四マイクロシーベルトとなるなど、全体的に線量は低下した。〇・二三マイクロシーベルト超の地点は三回目にゼロになった上、〇・二〇〜〇・二三マイクロシーベルトも一回目の百三十二地点から三回目は二十四地点に減少した。三回目の最高線量は〇・二二七マイクロシーベルトで、つくばエクスプレス(TX)柏たなか駅周辺の植え込みのそばだったという。

 市の担当者は「自然減衰の効果で、より安心できる環境になっている。住宅などでも同様に線量が低下していると見込まれる」としている。自然減衰は、「半減期」が約二年と比較的短いセシウム134の減少や、雨水で放射性物質が流れていったことで起きたとみられる。

 ただ、同じく汚染物質のセシウム137は半減期が約三十年と長い。このため、今後の減衰ペースは徐々に鈍っていくほか、芝や土など水が流れにくい部分は、放射性物質の蓄積が進み、線量が局所的に上がる場合があるとしている。

 

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