被爆人形:撤去反対の署名、広島原爆資料館へ

毎日新聞 2013年06月06日 15時00分(最終更新 06月06日 21時52分)

廃虚の中をさまよう形で展示されている大やけどを負った被爆者の再現人形=広島市の原爆資料館で2013年5月30日午後3時42分、吉村周平撮影
廃虚の中をさまよう形で展示されている大やけどを負った被爆者の再現人形=広島市の原爆資料館で2013年5月30日午後3時42分、吉村周平撮影
73年〜91年まで展示されていた初代被爆再現人形。画家・福井芳郎氏が描いた燃えさかる市内の中をろう人形3体がさまよう=原爆資料館提供
73年〜91年まで展示されていた初代被爆再現人形。画家・福井芳郎氏が描いた燃えさかる市内の中をろう人形3体がさまよう=原爆資料館提供

 広島市の原爆資料館に展示されている「被爆再現人形」が、同館の全面的なリニューアルに伴い、2016年度に撤去されることに対し、撤去に反対する署名1700人分が6日、同館に提出された。ネット署名サイト「Change.org」で広島市佐伯区の会社員、勝部晶博さん(42)らが3月末から署名活動をしていた。署名を届けた勝部さんは「実物中心の展示に反対しているのではない。積極的に撤去しなければいけない理由がないなら展示を続けてほしい」と訴えた。

 資料館は展示内容を全面的に見直し、18年度にグランドオープンする。人形は大やけどを負って逃げる様子を表現し、被爆直後の悲惨さを伝えているが、被爆者から「実際にはあんなものではなかった」と再現性を疑問視する声もあり、10年7月に取りまとめた基本計画で「撤去または代替展示が望ましい」とされた。2万点を超える被爆資料の活用方法を検討している同館は「実物中心の展示にしてありのままを伝える」との方針だ。

 しかし、資料館でピースボランティアを務める被爆2世の永原富明さん(66)=広島県呉市=は人形が担う「継承者」としての役割を強調する。撤去決定後、人形の前で丸1日とどまり、100組近い親子にガイドした。驚いたり怖がる子供もいたが、何よりまず足を止める。そして「こんなひどいことがあったんじゃよ。よう見て帰るんよ」と話しかけると、例外なく子供たちは真剣に聴き入っていたという。【吉村周平】

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