(cache) 古地図散歩　江戸城外堀を歩く！②

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2012-09-11

古地図散歩　江戸城外堀を歩く！②

９月９日に行われた「散歩かふぇちゃらぽこ」のイベント「古地図散歩・江戸城外堀を歩く！」。

↑当日のパンフレット

神田橋を過ぎると、ＪＲの高架の手前で外堀は右に曲がる。ここで左側の小公園内にこんなものが置かれている。

竜閑橋である。この地点から北東に向かって、かつては小さな堀があった。これが竜閑川である。この竜閑川の入口に架けられていた橋が竜閑橋である。竜閑川は昭和２５年に戦災の瓦礫処理のために埋め立てられて消滅した。ここには時代の記念物として大正時代にかけられたコンクリート製の竜閑橋が置かれている。

やがて左側に日本銀行庁舎が見えてきた。東京駅を設計した辰野金吾が設計した明治２９年築の建物で、国の重要文化財に指定されている。向かいにある貨幣博物館は入場無料。内部では一億円を持ち上げるコーナーがあったり、国内外の新旧貨幣が展示されており、そのために警備員が展示室内に何人も配置されていて警戒は厳重である。

しかし、ここは警戒の厳重さを忘れてしまうほど展示が充実している。一同が盛り上がったのがお札を顕微鏡で見るコーナー。

日本銀行券（紙幣）には偽造を防止するために多くのマイクロ文字が使われており、たとえば青矢印の紫色の部分には「ＮＩＰＰＯＮＮＧＩＮＫＯ」と細かい文字で印刷されている。これはまだ肉眼で見える。ところが赤矢印の「１０００」の下の部分は肉眼では黒い線にしか見えない。じつはこれもマイクロ文字である。貨幣博物館の顕微鏡で見るとよくわかる。

日本銀行の向かいにある常磐橋門は江戸城外堀では最も良好に石垣が残っていたのだが、残念ながら去年の地震による被害の修復工事中で立ち入りができなくなっている。ここからほど近い一石橋から先は東京駅前の外堀通りとなるが、この外堀通りは、明治時代に東京駅の入口を造るために外堀が埋め立てて造られた道路である。

外堀がなくなってしまったため、現在は交差点名にしか残っていない呉服橋だが、江戸時代にはこの橋を渡ると呉服橋門があり、門の内側には北町奉行所があった。現在跡地に建つトラストタワーを建てるときに発掘された北町奉行所の遺構が植え込み内に残っている。

これは北町奉行所の排水口の石垣を発掘されたのと同じ状態で再現されたものである。

東京駅前に入口のある八重洲地下街に入っていくと、そこには・・・

さらし首！！

古風な髪型と衣装の外国人がさらし首になっていた。これは「八重洲」の地名の由来となったヤン・ヨーステンの像である。ヤン・ヨーステンは江戸時代初期にウイリアム・アダムス（三浦按針）とともに日本に漂着したオランダ人で、徳川家康に仕えて江戸城内堀の和田倉門の近くに屋敷をもらった。後に屋敷のあった堀端が「八代洲河岸」と呼ばれるようになり、それが「八重洲」の由来となった。

参考：国道１５号と八重洲通り
の交差点にある白いヤン・ヨー
ステンの首

ところで、和田倉門は東京駅の西口、つまり丸の内口側に位置する。もともと明治時代になり「八重洲」という地名ができたが、その範囲は内堀から外堀にかけて広がり、外堀には東側から八重洲へと渡る「八重洲口橋」が架けられた。ところが東京駅建設に伴い「八重洲」から「丸の内」へと地番変更が行われ、「八重洲」の地名は姿を消した。後に外堀が埋め立てられて東京駅の八重洲口が造られた時、八重洲口橋があった辺りが「八重洲」と地番が変更されて「八重洲」の地名が復活したので、現在の八重洲は東京駅の東側になったのである。