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大鰐線廃止撤回に安堵の声
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| 廃止の方針が撤回された弘南鉄道大鰐線=22日午後4時半ごろ、弘前学院大前駅 |
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「廃止されないならうれしい」「良かった」。弘南鉄道の船越弘造社長が22日、大鰐線を2017年3月末で廃止する方針を撤回したことで、先行きを不安視していた利用者や沿線の学校関係者からは「安心した」などと安堵(あんど)の声が聞かれた。ただ、路線の存続には利用客の維持・増加が不可欠であり、駅前の商店街や学生団体は「大鰐線を応援していきたい」との気持ちを高めている。
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大鰐線の廃止方針がひとまず消えたことで東奥義塾高1年の山内遼祐君(15)は「便利なのでなくなれば困るし、残してほしいと思っていた。うれしい」と話す。柴田女子高2年の三浦玲佳さん(16)は「通学で使っているので良かった」と声を弾ませた。
6月末に船越社長が廃止の方針を示したことで、沿線に立地する弘前学院大は、学生にアンケートを行い利用状況を調べた。吉岡利忠学長は「50人以上の学生が利用しており、なくなっては困るのでまずはひと安心だ。地域の私鉄で頑張っているところはたくさんある。存続へ何とか企業努力をしてほしい」と取材に答えた。
全校生徒704人中209人が利用しているという東奥義塾高の對馬勉塾長は「まだ完全に安心ではないが、1年でも、2年でも(運行が)長く続いてほしいと思っている。今後の生徒募集にもつながる問題。状況を見守っていきたい」と語った。
また、弘前市から大鰐町まで通勤している戸澤美香さん(51)は「乗客が少ない時間帯は1両にするなど、経費が掛からない方法を探って何としても残してほしい」とあらためて訴えた。
今回の廃止問題を契機に、大鰐線の活性化を考える動きも出てきた。沿線にある西弘商店街維持振興会の馬場洋会長(47)は「弘南鉄道との話し合いの場にぜひ参加したい」とし「地域と密着することで新しい電車の利用方法をプラスし、乗車率アップにつながれば。商店街としてできることがあるなら、全面的に協力したい」と力を込める。
公共交通機関の利用促進活動を行っている弘前大の学生サークル「H・O・T Managers(ほっとまねーじゃーず)」の大野悠貴代表(23)は「弘前の交通ネットワークの中で大鰐線をどう生かし、使っていくのかを市民一人一人が考える必要がある。そのきっかけになる活動をしていきたい」と話している。
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