松井氏の来季入閣消滅!G渡辺会長が明言
サンケイスポーツ 7月30日(火)7時0分配信
松井氏の来季入閣、消滅!! 巨人・渡辺恒雄球団会長(87)=読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆=が29日、巨人OBでヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(39)の来季コーチ入閣を見送る方針を明らかにした。米ニューヨークに生活拠点を置く松井氏に「一休みしたいだろうし、来季からなんて考えていないだろう」と語った。現地で松井氏と会談した原沢敦球団代表兼ゼネラルマネジャー(57)も「無理強いできる話ではない」と待ちの姿勢を強調した。
【写真で見る】引退セレモニーで黒田と握手をする松井秀喜氏
ヤンキースタジアムを埋めた4万7714人のファンが熱狂した。1日限定のマイナー契約を結んだ松井氏は28日(日本時間29日)、ヤ軍の一員として引退セレモニーに臨んだ。背番号55のユニホームを着てレイズ戦の始球式で見事、ストライクを投げ込み「球場に入った瞬間から泣きそうでした。言葉にならないくらい感動し改めて幸せな野球人生と思った」と感無量の表情だった。
その様子を、特別な思いで見守っていたのが「(原監督の)後は松井君が最適」と熱烈ラブコールを送っていた巨人の渡辺球団会長だ。29日夜、東京都内のホテルで取材に応じ「良かったね。1日(の限定)サインして、ああいうことをしてくれる。日本の球団よりもヤンキースの方が情愛がある。巨人も学ぶべきだよ」と称賛を惜しまなかった。
しかし、その後、同会長からは驚くべき言葉が飛び出した。「彼(松井)だって一休みしたいだろうし、来季から(の入閣)なんて考えていないだろう」。事実上の松井氏のコーチとしての招へいを見送る方針を明らかにしたのだ。
前半戦を首位で終えた翌18日、今年が2年契約の最終年となる原監督に対し、「Bクラスにならない限りは続投」と来季も指揮を執ることを明言。原監督の続投で、松井氏の入閣がクローズアップされていた。
実際、巨人側では松井氏が国民栄誉賞授与式などに出席するため、一時帰国した5月、松井氏の臨時コーチ就任を実現しようと動いた。原監督の強い希望もあり、松井氏も前向きに検討。しかし、わずか1週間の滞在だったため、スケジュールの調整がつかず断念した経緯がある。
巨人の原沢GMは引退セレモニー出席のため、渡米し、ニューヨークで松井氏と会談した。来春のキャンプでの臨時コーチ就任などがテーマになったとみられるが、29日に帰国した原沢GMは「無理強いできる話ではない。うちの姿勢は基本的に変わることはない」などと語った。
松井争奪戦に関しては、ヤ軍が一歩リードの情勢だ。キャッシュマンGMが直々にチームの指導を要請。昨オフには「(タンパでの)春季キャンプにコーチとしてきてほしい」と声をかけたが、この時は松井氏が「(夫人の)出産が近いので」と断った。その後の誘いには応じ、実際に7月上旬には傘下の1Aスタテンアイランドで打撃投手を務めるなど、ヤ軍では“コーチ業”を始めている。
同GMは「ヒデキは常にヤ軍の一員」として来春もコーチとして迎えたい意向を示している。松井氏も3月に長男が生まれたばかりで、生活の拠点があるニューヨークを長期間、離れたくない事情もある。
松井氏は、巨人の監督候補として名前が挙がっていることについて「光栄ですが、それも縁」と語ったが、少なくとも来季の入閣は見送りになる公算が大きくなった。
最終更新:7月30日(火)10時47分