友人の呉善花先生が仁川空港で入国拒否にあったと産経新聞のニュースで流れました。NHKも報道した模様です。
それで先ほど呉先生と電話で話しました。その様子をお伝えしたいと思います。
呉善花先生は、済州島の出身で反日教育をたっぷり受けて来日、それもアメリカ留学のための準備として来日されました。いろんな文化的な葛藤を経て、次第に日本に興味が湧き始め、日本が大好きになられました。
そして自らの評論活動で韓国と日本の文化を比較していくうちに、日本の良さに気づかれました。でも、周りの日本人がその良さに気づいていないことに驚かれ、自分の講演や著書の中で日本の文化の良さを韓国人の目から紐解かれるようになりました。
すると、だんだん人気が出始めたのです。日本ではマスコミが総出で韓国を持ち上げ、政治家は韓国に対して謝罪ばかりを繰り返す中、韓国人の教養あるしかも女性が韓国の歴史認識に対しておかしいと言い始めたからです。
そして知日派としての地位を築き、現在は拓殖大学の教授として日本の若者に正当な歴史と日本人としての誇りを教えておられます。
福岡でもお仏壇のはせがわの長谷川会長やJR九州の石原会長などが代表世話人となり、一月三舟の会を作って四ヶ月に一回の呉先生を囲んでの勉強会をもう4年ほど続けています。
私のその世話役のひとりで、呉先生の熱海にある別荘にも遊びに行くような仲です。
事件の顛末を聞くと、結婚式出席のためにソウルに行こうとしたところ、仁川空港の入国審査で拒否され、別室に連れて行かれたそうです。そこで保護という名目の監視下に置かれ、入国不適格という書類にサインを求められたそうです。
ところが、先生はそれを「こんなことをされるいわれはない!」と突っぱねたそうです。すると、サイン拒否のまま次の日本行きの便に乗せられ日本に帰国させられました。
飛行機の出発まで保護という名目の監視をされて、待機する一室に監視する人と一緒に待たされていました。
何度も抗議をしたそうですが、聞き入れてくれずに仕方なく時間が来たので、押し込められていた一室からとても長い廊下を歩いて飛行機に向かっていたのですが、部屋に忘れ物をしたことに気づいたそうです。
係官にその旨を伝えて、別の係官が持ってきてくれたのですが、その係官と前の係官の三人で飛行機の搭乗口に向かって歩いている途中に、忘れ物を持ってきた係官が「本当にひどいことです。日本に帰ったらどんどんこのことを言ってください」と言われてびっくりしたそうです。
呉先生が「こんなひどいことをして私は日本でどんどん発言しますよ」という文句を聞いてからの発言でしたが、その係官は同情的な態度で前出の言葉を言い、さらに次のように続けました。
「外からどんどん言ってもらわないと、私たちがいくら言ってもこの国は変わらないんですよ」と。
一体一でこの発言をするのなら理解ができるのですが、明らかにその係官よりも先輩も聞いているのに、そういう発言をしたことにびっくりされたそうです。このことをブログで書いてもいいのかと聞くとどうぞと言われたために書いています。
この一言があらわすのは、朴政権の政権運営がうまくいっていないことの証左ではないかと呉先生と話しました。
空港の係官は韓国経済が低迷しているのは、日本との関係が悪化しているからだということを理解した上での発言だと推測しています。
ご先生は去年も今年も何度も韓国に入国しています。ただ今回違ったのは5月に安倍首相と食事をしたということが中央日報に掲載された後であるということです。
ここからは私の推測ですが、韓国経済が現在とても低迷しています。日本からの旅行者も3割減少し、旅行者や観光業者は喘いでいます。さらに追い討ちをかけるように円安の影響でのウォン高で輸出産業がぱったりです。
今まであった格差などの社会現象がどんどん拡大化しているといいます。
そこで、安倍首相に近い元韓国人がその現象をつぶさに見て、友人たちからその様子を克明に聴けば現状が把握でき、それを報告されたら今後の日韓の交渉に不利だと思ったのではないかと考えています。
どんなに外国語ができても、その国の文化・歴史・風土・人情などは細かいところまではその国出身の人でなければ把握できないものがあります。しかし、元韓国人がそれを肌で感じればすぐに嗅ぎ取ってしまうでしょう。
呉先生は他の日本人の評論家と違って、朴政権が誕生する前から、朴大統領は反日政権になると予言し、見事当てました。このブログを昨年から読んでおられる方は、そのことを私が書いているのをご覧になった記憶があると思います。
現在韓国では反日のナショナリズム旋風が吹き荒れています。しかし、それは韓国の自殺に等しく、韓国経済は日本経済と密接な関係性を持たないととんでもないことになるのです。
日本経済は別に韓国経済がなくてもやっていけますので別に何の問題も生じていませんが、韓国では大きな問題になっています。しかし、持ち前の変なプライドが邪魔をしているために、素直に日本にお願いができません。
そこで出番は親韓派の人たちです。安倍政権が韓国との関係を早く修復しないと「国際的に孤立する」と危機を煽らせるのです。
それは親中派の人たちにも言えるのです、彼らの言う国際とは日中韓のことを言っているようです。
しかし、安倍政権は東南アジア訪問など着実にもっと広い国際的な関係を構築しつつあります。
それに危惧する親韓派、親中派の人達の「国際的に孤立する」という根も葉もないフレーズに踊らされないようにしましょう。
もし、呉先生が数年ぶりに韓国に里帰りして入国を拒否されたのなら、上記の推測は全くの的外れですが、今年もすでに二回ほど帰省されているのです。そして何の問題もなく入国され日本に帰ってきているのです。
朴大統領のお父さんの朴正煕大統領は、クーデターで大統領の座につきました。それは、あまりにも朝鮮戦争後の韓国が貧しく皆が飢えているにもかかわらず、当時の大統領である李承晩が反日政策を取り続けたことに我慢できずに立ち上がったのです。
そしてその後1965年に日韓基本条約で日本との国交を回復し、途上国支援金という名目でお金を貰い、それを使って漢江の奇跡と言われる経済発展を成し遂げました。この人がいなければ今でも韓国は世界の最貧国のままだったかもしれません。
朴正煕大統領は親日と反日をうまく使い分けました。表面では反日でしたが、裏では親日派として日本の政治家とうまく関係を持っていました。日本の政治家も本音と建前を使い分けていたのです。
韓国経済の安定が日本の安全保障に直結していた時代です。
ちなみに朴正煕大統領の自叙伝は現在韓国国内で「発禁処分」を受けています。「日本の統治は悪いところばかりではなかった」と書いてあるからだといいます。
しかし、朴 槿惠大統領は、大統領就任前から親日派としてのレッテルが貼られているために、親日的な政策を取ることができません。さらにお嬢さん育ちのためと本音と建前を使い分けることができないのです。
韓国は困っています。だからこそ呉善花先生の入国を拒否し、できるだけ正確な情報を安倍首相に伝えたくなかったからではないでしょうか。
今回の事件をNHKも人権問題として大きく取り上げていることに、呉先生も驚いていました。
でも、私は先に経済問題を日本国民に悟らせないためのカモフラージュのような気がしてなりません。
みなさんはどうお考えですか?