【NQNニューヨーク=岩切清司】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均が3営業日ぶりに反落した。終値は前週末比36ドル86セント(0.2%)安の1万5521ドル97セント。新たな買い材料に乏しかったうえ、米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要行事を控えて積極的な買いを見送る投資家が多く、利益確定目的の売りが優勢となった。住宅関連指標の悪化や日本株の急落も心理的な重荷だった。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落。前週末比14.02ポイント(0.4%)安の3599.14となった。
朝方発表の6月の仮契約住宅販売指数が市場予想に反して前月比でマイナスとなった。米住宅市場の回復期待に水を差し、住宅関連株の一角に売りが出た。
東京市場で日経平均株価が急落したほか、中国株式相場も軟調。世界で株式投資に対する警戒感が高まったことも売り材料として意識された。
30~31日に米国の金融政策を決めるFOMCが開かれるほか、31日に4~6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値、8月2日には7月の米雇用統計が発表になる。今後の相場を占う重要な材料となるだけに、取引を手控える雰囲気が強かった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「エネルギー」や「金融」を中心に7業種が下落。「電気通信サービス」などが上げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約5億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約15億2000万株(同)。
大型買収を発表した米製薬大手のペリゴが下落。財務面の負担を警戒した売りが出た。レンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングスも安い。四半期決算は増収増益だったが、通期の収益見通しを据え置いたのが嫌気された。
広告大手の米オムニコム・グループは小安い。同業の仏ピュブリシス・グループとの合併を発表し業績拡大期待から一時は過去1年間の高値を更新したが、引けにかけて利益確定売りに押された。
一方、米高級百貨店のサックスがカナダの同業大手への身売り発表を手掛かりに買われた。
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