米国株:下落、中古住宅販売成約指数の低下を嫌気
7月29日(ブルームバーグ):米株式相場は下落。中古住宅販売成約指数の低下が嫌気された。S&P500種株価指数は月間ベースでは上昇している。
S&P500種の業種別10指数 ではエネルギー株と金融株が安い。医薬品のペリゴは大幅安。同業でアイルランドのエランを86億ドルで買収すると発表したことを受けた。フェイスブック は新規株式公開(IPO)を実施した2012年5月以来の高値に上昇。モバイル広告の売り上げをめぐり楽観的な見方が広がった。
S&P500種 株価指数は前週末比0.4%安の1685.33。ダウ工業株30種 平均は36.86ドル(0.2%)下げて15521.97ドル。
ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティール最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「一部の経済指標は市場の予想よりも弱いように見受けられる」と分析。「今年前半が力強かったことから、向こう数カ月に一服する可能性はある」と続けた。
S&P500種は月初からは4.9%上昇。予想を上回る企業決算や金融緩和策を受けて、同指数は2009年3月以降 では149%上げている。
今週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、政策金利は現行水準で据え置かれる可能性が高い。またブルームバーグの調査によれば、債券購入プログラムは9月に規模縮小が始まると見込まれている。
中古住宅販売成約指数全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売成約指数 (季節調整後)は前月比0.4%低下の110.9。低下率は、ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値(1%低下)よりは小幅にとどまった。
今週は国内総生産(GDP)や雇用統計など重要な経済指標の発表が控えている。FOMCのほか欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合も開かれる。
また今週はS&P500種構成企業 のうち130社余りが決算発表を行う。ブルームバーグのデータによれば、これまでに決算発表を終えた269社のうち73%で利益、56%で売上高がそれぞれアナリスト予想を上回った。
UBSの資産配分ストラテジスト、ラミン・ナキサ氏は「現時点では、依然マクロ経済が相場を動かしている状況だ」とし、「世界的に見て金利上昇の局面に入りつつあり、米金融当局は今後緩和策を縮小させる。ボラティリティは高まるかもしれないが、リスク選好は強くなる」と続けた。
ボラティリティシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX )は5.3%上昇し13.39。同指数は6月に年初来高水準を付け、それ以降35%低下している。
エネルギー株と銀行株の指数はともに0.8%下げた。エクソンモービルは0.8%安の94.03ドル。シェブロンは1.1%下げて126.17ドル。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は1.4%安の14.52ドルと、値下がり率はダウ平均で最大。JPモルガン・チェースは0.6%下落し55.69ドル。
ペリゴは6.8%安の125.17ドル。共同発表資料によると、エランの米国預託証券(ADR)保有者は1株当たり16.50ドルを株式交換と現金で受け取る。
フェイスブックは4.2%高の35.43ドルと、IPOを実施した月以来の高値となった。
原題:U.S. Stocks Decline as Pending Sales of Homes Slipped inJune(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alex Barinka abarinka2@bloomberg.net
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更新日時: 2013/07/30 06:40 JST