7月29日の米国マーケットサマリー:株は下落、円は逃避需要で上昇
7月29日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3265 1.3279 ドル/円 97.85 98.21 ユーロ/円 129.80 130.42 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,521.97 -36.86 -.2% S&P500種 1,685.33 -6.32 -.4% ナスダック総合指数 3,599.14 -14.03 -.4% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .31% +0.00 米国債10年物 2.59% +.02 米国債30年物 3.66% +.04 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,329.60 +7.70 +.58% 原油先物 (ドル/バレル) 104.43 -.27 -.26%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の定例会合で、経済活動が引き続き改善の兆候を示せば金融緩和を縮小させる計画をあらためて表明するとの期待が背景にある。
円は主要16通貨全てに対して上昇。日本の小売業販売額が前月比で減少したほか、中国の工業セクター企業の利益が鈍化したため、逃避先資産としての需要が高まった。米中古住宅販売成約指数が低下したため、ブルームバーグ米ドル指数 は約6週間ぶりの低水準から上昇した。FOMCは30-31日に会合を開く。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのチーフ為替ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「今週のイベントを前に若干の持ち高調整が見られる。週後半はドルにとってもっとプラスになるだろう」と述べた。
ニューヨーク時間午後0時57分現在、ドルは対ユーロで前営業日比0.1%高の1ユーロ=1.3263ドル。対円では3日続落し、0.4%安の1ドル=97円78銭。円は対ユーロで0.6%上げて1ユーロ=129円70銭。一時は129円77銭と15日以来の円高・ユーロ安水準を付けた。
◎米国株式市場米株式相場は下落。中古住宅販売成約指数の低下が嫌気された。S&P500種株価指数は月間ベースでは上昇している。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前週末比0.4%安の1685.33。ダウ工業株30種 平均は36.86ドル(0.2%)下げて15521.97ドル。
ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティール最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「一部の経済指標は市場の予想よりも弱いように見受けられる」と分析。「今年前半が力強かったことから、向こう数カ月に一服する可能性はある」と続けた。
S&P500種は月初からは4.9%上昇。予想を上回る企業決算や金融緩和策を受けて、同指数は2009年3月以降では149%上げている
◎米国債市場29日の米国債は下落。10年債利回りは約2週間ぶりの高水準となった。今週開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では月間850億ドルの債券購入プログラムの先行きについて協議するとみられている。
今週は第2四半期(4-6月)実質国内総生産(GDP)と7月の雇用統計が発表される。31日発表のGDPは前期比年率1%増が見込まれ、8月2日に発表される雇用統計では失業率の低下が予測されている。2年債と30年債の利回り差はここ約2年で最大となった。
CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「ますます大規模資産購入の縮小に近づいている。新しいニュースがない中で、何か違ったニュースが出ない限り今のリスクは利回り上昇だ。低下ではない」と指摘、「経済状況や米金融当局のスタンスを考えると、2.75%付近が適正水準だろう」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後1時37分現在、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて2.60%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は10/32下げて92 22/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は反発。アジアでの現物買い増加の兆しを手掛かりに、買いが優勢になった。過去3営業日では2日目の上昇。
金先物は今月に入って8.7%上昇しており、このままいけば月間ベースでは2012年1月以来の大幅高となる見通し。VTBキャピタルによれば今月の相場上昇の背景には、投資家が価格下落を見込んだポジションを手仕舞ったことや、4月に弱気相場入りしたことを好機とした買いがアジアで増えたことがある。米連邦公開市場委員会(FOMC)は30、31両日に次回会合を開く。
貴金属関連の調査などを手掛けるキトコの世界取引担当ディレクター、ピーター・ハグ氏はリポートで、「アジアからの現物需要がある」と指摘。「トレーダーや投資家は一段のガイダンスを求めてFOMC会合に目を向けている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前週末比0.6%高の1オンス=1329.60ドルで終了した。
◎NY原油先物ニューヨーク原油相場はほぼ変わらず。工業セクター企業の利益が伸び悩んだ中国では、政府が債務について全国規模の会計監査に踏み切ると発表した。一方で、中東の政情不安は供給障害への懸念を深めた。
中国の国家審計署はウェブサイトに28日掲載した声明で、国務院から監査実施を要請されたことを明らかにした。エジプトのムスリム同胞団は軍に強制退陣させられたモルシ前大統領の支持者に対し、大規模なデモを呼びかけた。米国では今週、連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。2日には7月の米雇用統計が発表される。
エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「重要な週が始まるにあたり、市場にはこれといった動きが見られない」と指摘。「中国の会計監査令で、状況は思っていたよりも悪いとの懸念が深まった」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前営業日比15セント(0.14%)安の1バレル=104.55ドルで終了した。一時は9日以来の安値となる 103.87ドルまで下げた。
更新日時: 2013/07/30 05:29 JST