UPDATE1: 日中韓FTAに向け年内に3回交渉へ、中国は米主導のTPPを意識
[北京 19日 ロイター] 中国商務省の沈丹陽・報道官は19日の記者会見で、日中韓自由貿易協定(FTA)に関する3国間の交渉が年内に3回行われることを明らかにした。また、他の貿易相手国との交渉にも力を入れる方針を示した。
日中韓FTAの最初の協議は3月26日─28日に韓国のソウルで行われる。2回目は中国で、3回目は日本で行われるという。それ以降の日程は明らかにしていない。
アナリストは、日中韓FTA交渉には中国政府の2つの狙いがあると指摘する。一つは沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権をめぐり緊張関係にある日本政府と関わること、もう一つは米国主導で進む環太平洋連携協定(TPP)交渉に対抗することだ。
安倍晋三首相は先週、TPP交渉への日本政府の参加を表明。交渉がまとまれば世界経済の4割近くを占める自由貿易圏が誕生するが、交渉に参加していない中国は孤立する可能性がある。
沈報道官は会見で、日本のTPP交渉参加表明を受けた反応を問われると、「われわれは関係国との意思疎通と話し合いを強化し、われわれ独自の自由貿易圏の進展を図っていく」と回答。
「われわれは常に、世界のすべての経済は国際的な経済統合のプロセスに参加する権利を持つと考える。われわれは常に、地域間、そして国際的な協力を促進するためのあらゆる取組みを受け入れる姿勢でいる」と述べた。
報道官はさらに、「われわれは、地域間あるいは二国間のいかなるFTAも多国間貿易システムの代替物ではなく、補完物に留まるべきだと考える」と付け加えた。
昨年11月には、カンボジアで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の間に日中韓の貿易相会合が行われていた。
© Thomson Reuters 2013 All rights reserved.