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朝鮮戦争と日本

朝鮮で祖国解放戦争勝利60周年を記念する様々な行事が行われた。「勝利者の大祝典」と銘打たれた祝賀行事は、米国に勝利した60年前さながらの歓喜に沸いた。経済建設にまい進する人々の希望が伝わる一方、日本メディアの第三者的なとらえ方に違和感がある

▼日本では、停戦協定を破り南朝鮮に軍を駐留させ、核兵器を持ち込み、北侵演習を繰り返す米国の脅威について報じられることは皆無。朝鮮が戦争危機をあおっていると逆さに報じられる。「朝鮮半島危機」に乗じて再軍備、核武装を主張した政治家が首相に収まっている

▼朝鮮戦争当時のトヨタ自動車社長は、「(戦争の)特需という神風」によって倒産危機を脱することができたと振り返った。米軍への兵器・物資・サービスの提供により、日本には後の高度成長につながる「朝鮮特需」がもたらされた。朝鮮戦争の傍ら、日本では国産の蛍光灯、小型カメラ、コンタクトレンズ、ナイロン製ストッキングなどの市販が始まった。50~52年の3年間、実質経済成長率は10%を超えた

▼当時の吉田茂首相は、朝鮮戦争勃発の報を受け、「これこそ天の恵み」と言って神棚に手を合わせた。自国で作られる兵器が、かつて植民地にした地で再び大勢の命を奪うことなどおかまいなしだ。それだけではない。日本人は朝鮮戦争の前線で作戦に参加した。米国に追随して朝鮮戦争に参戦した当事国としての責任は極めて重い。(天)