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日本の識字率は本当に100%なのだろうか

2013/07/28 22:01

 

  今発売中のニューズウィークに興味深い記事が有った。

「どこに消えたのか アメリカンドリーム」というその記事、勿論アメリカの事を言っている。

しかし日本にとっても他人事でない内容を含んでいる。その中でも教育の問題は深刻だ。

幸い阿修羅さんがその記事をアップされているので、それを引用させていただき何が気になるのか考えたい。

阿修羅さんの記事

http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/382.html

 

 

<以下引用>

 

『ニューズウィーク日本版』2013年7月30日号  P.44~47

 

「どこに消えたかアメリカンドリーム

 

社会:均等な機会と個人の努力によつて成功できるはずのアメリカで所得格差が固定化している理由は

 

 ニーアル・ファーガソン(ハーバード大学歴史学部教授)

 

・・・中略(大幅に)・・・

 

 それは教育の弱体化だ。生徒1人当たりへの支出額が実質的に3倍になつているにもかかわらず、アメリカの中等教育は弱体化している。

 シンクタンクの外交問題評議会によれば、17~24歳の国民の4分の3が、身体的条件を満たしていない、犯罪歴がある、あるいは教育レベルが不十分という理由で軍の入隊資格を満たしていない。国際比較では現在、15歳の数学力でアメリカは真ん中あたりだし、OECD経済協力開発機構)による国際学習到達度調査(PISA)の最近の結果も惨憺たるものだ。

 

実力主義社会はどこへ

 

 だが真の問題は、裕福な子供と貧しい子供の格差だ。

 アメリカでは4~5歳の時点で既に、最貧困層の家庭に育った子は、最富裕層の家庭の子に比べて学力に21.6カ月の遅れがある(カナダの場合は1.・6カ月)。

 日常生活に必要な読み書きができない15歳の割合は、カナダの10.3%に対しアメリカは17.6%。社会的な階級が最も高いグループの家庭の子は、最下層グループの家庭の子に比べて大学進学率が2倍だ。

 

・・・以下略・・・

 

<引用此処まで>

 

大幅に省略しましたので、全文は上掲リンク先参照ください。

 

日常生活に必要な読み書きができない15歳が17,6%、衝撃的な数字である。

 

こんなモノを見て韓国の状況を思い出した。

韓国の親日派ブロガー、シンシアリー氏のブログにこんなのが有る。

 

韓国の文盲率は?

http://ameblo.jp/sincerelee/entry-11440561095.html

 

此処で実質文盲率なる考え方で見ているが、そのデータは凄いものが有る。

 

<以下引用>

この実質文盲率の結果は、意外なものでした。

韓国教育開発院が発刊した'2004年韓国教育人的資源指標'を見ると、

町内会公告文を見て「町内会が誰の家で開かれるのか」が把握できる水準の、生活情報文書解読に脆弱な人(1段階)が全体の38%

・(自身がまだ知らないでいる)新しい職業や技術に必要な情報を本を通じて理解できない人(2段階)も全体国民の37.8%にも及ぶ

・大学を卒業した高学歴者の文書読解能力も、調査対象となる経済協力開発機構(OECD) 22ヶ国の中で最下位であった、と・・

 

<引用終り>

 

アメリカが酷いなあとか、韓国ってそんなんだったんだ・・・こう思うのはその通りだが・・・

どっこい、日本だってそんな見方で見ると識字率100%だなどと安閑とはしておられない。

 

私の家人は永年教師だった、長女は今中学校の教師をしている。

毎日子どもたちを見ていて、特に落ちこぼれ、お客さんと言われる子どもたちの問題が深刻であることをよく聞いている。

 

日本だって上掲のアメリカの基準で見たら識字率100%だなどと言えない。

韓国式でもあそこまで酷くは無いとおもうが、では100%問題ないかと言えば決してそうでは無い。

 

そしてもっと厄介な事、それは社会が高度化してきた現在、こんな文書読解能力のない人が社会に出てもやれる仕事が無いのだ

 

そんな事で以前八目山人さんからいただいたコメントを思い出した。

こんな内容だった。

 

>Commented by 八目山人 さん
私が小学生の頃の話です。
遠い親戚に智恵遅れの男の人と、聾唖者の女の人がいました。
男の人は馬の世話を任されていて、いつも馬は肥えていて毛艶が良かった。
女の人は田植えの時、私の家に手伝いに来て、健常者に負けない勢いで苗を植えていた。
二人とも40代で亡くなった。
昔はどこも百姓だったので何も問題がなかった。

 

詳細は以下エントリー参照ください

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2584353/

 

この八目山人さんが仰っている事は正にその通り、昔は知恵おくれの人でもやれる仕事が有り、真面目にやっていればそれで良かった。

だが今は違う。

 

昔と比べ何倍も何倍も努力せねばいけない時代、それがこの競争社会である。

競争相手は向上心にあふれた発展途上国、そんな事を意識しないといけない時代なのだ。

 

考えさせられる話である。

カテゴリ: コラむ    フォルダ: 社会一般

コメント(7)

 
コメント(7)

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2013/07/28 23:07

Commented by 八目山人 さん

テレビを棄てたので、毎日アメリカの映画を観ています。

そこに見るアメリカの教室は、日本の崩壊した教室のようです。(よく、アメリカは自由で討論などしたり自分の意見を言わせたり日本と比べてすばらしいという人がいますが、私は日本の方がよいと思います。)
でもよく見ると自分をよく見せようと強力にアピールしているようにも見えます。

アメリカは生き抜く力を作っているように見えます。読み書きが出来なくても。
それが他人を殺してお金を奪う力であっても。

 
 

2013/07/28 23:58

Commented by kanatake-doc さん

こんばんわ~ 塾教師です。m(_ _)m

中学生の学力低下はゆとりから始まって,現在最低に落ち込んでいます。

これ以上酷くならないように願うばかりです。ヽ(д`ヽ)。。オロオロ。。(ノ´д)ノ

 
 

2013/07/29 00:29

Commented by yuyuu さん

全ての人が優秀である必要はなく、それぞれの条件に合わせた仕事をすれば良いのです。
戦前は大学出などほんの一部で、多くは尋常小学校出でしたが、それで社会のパワーがダウンしたわけではない。そして特別に優秀な人は金が無くても大学まで行けましたから。
一方で尋常小学校出でも優秀な人は起業して成功しています。社会は一律でない方がパワーが出るのです。

今でも大学など出ると仕事は無いけど中卒、高卒ならいくらでも仕事があります。いくらでも紹介できますよ。必死で探している会社はいくらでもありますので。
私の友人は高卒、高等専門学校が多いけど、既に皆さん30台後半で起業して社長になってます。やたらと優秀ですよ。英語の文献などすらすら読んでます。読まないと仕事にならないからですけどね。研究熱心だし、プロだし。

今、日本の教育は外国人には多額の奨学金を只で進呈して、日本人には出して居ませんので、外国人の分を努力する優秀な日本人に振り向けるだけでかなり違ってくるでしょう。優秀な人は学費全部只にすれば良いのです。
外国人の学費を只にしても日本の役に立ちません。本当に馬鹿なことをやっているものです。

 
 

2013/07/29 07:37

Commented by 短足おじさん さん

To 八目山人さん
>テレビを棄てたので、毎日アメリカの映画を観ています。
>
>そこに見るアメリカの教室は、日本の崩壊した教室のようです。(よく、アメリカは自由で討論などしたり自分の意見を言わせたり日本と比べてすばらしいという人がいますが、私は日本の方がよいと思います。)
>でもよく見ると自分をよく見せようと強力にアピールしているようにも見えます。
>
>アメリカは生き抜く力を作っているように見えます。読み書きが出来なくても。
>それが他人を殺してお金を奪う力であっても。


教育制度全般で言えば間違いなく日本の方がいいでしょう。
しかしアメリカは「出来る人はどんどん伸ばす」、これに徹しています。したがって「出来ない人は切り捨てられる」のは仕方ない、こうだと思います。
これがアメリカの活力なのですが、日本は違う道を歩むべきでしょう。
日本がいいか、アメリカがいいか、これは後世の人が決める事です。
しかし私には今年が日本の不死鳥伝説の第三のスタートの年、そう思っています。
一羽目の不死鳥は明治維新で飛び立ちました。二羽目の不死鳥は原爆の火の中から飛び立ちました。
三羽目の不死鳥はM9の大地震と原発事故の火の中から飛び立とうとしている、そう信じています。

 
 

2013/07/29 07:45

Commented by 短足おじさん さん

To kanatake-docさん
>こんばんわ~ 塾教師です。m(_ _)m
>
>中学生の学力低下はゆとりから始まって,現在最低に落ち込んでいます。
>
>これ以上酷くならないように願うばかりです。ヽ(д`ヽ)。。オロオロ。。(ノ´д)ノ
>


初めまして、コメント有難うございます。
私の長女は中学校の教師をしています。
仰られること、とても良く分かります。

私はタイで仕事をしてきました。その中で日本のゆとり教育に猛烈な危機感を持っています。
古いエントリーですが、以下のエントリーにタイの小中学校のカリキュラム(時間割)を載せました。
何かの参考になると思います。
http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/851439/
http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/853927/
http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/855063/

タイに居る日本人は多いですが、現地の学校の時間割を持ってきたのは私くらいではないかなあ(笑)
こんなのを見ると凄い危機感を覚えます。

 
 

2013/07/29 07:54

Commented by 短足おじさん さん

To yuyuuさん
>全ての人が優秀である必要はなく、それぞれの条件に合わせた仕事をすれば良いのです。
>戦前は大学出などほんの一部で、多くは尋常小学校出でしたが、それで社会のパワーがダウンしたわけではない。そして特別に優秀な人は金が無くても大学まで行けましたから。
>一方で尋常小学校出でも優秀な人は起業して成功しています。社会は一律でない方がパワーが出るのです。
>
>今でも大学など出ると仕事は無いけど中卒、高卒ならいくらでも仕事があります。いくらでも紹介できますよ。必死で探している会社はいくらでもありますので。
>私の友人は高卒、高等専門学校が多いけど、既に皆さん30台後半で起業して社長になってます。やたらと優秀ですよ。英語の文献などすらすら読んでます。読まないと仕事にならないからですけどね。研究熱心だし、プロだし。
>
>今、日本の教育は外国人には多額の奨学金を只で進呈して、日本人には出して居ませんので、外国人の分を努力する優秀な日本人に振り向けるだけでかなり違ってくるでしょう。優秀な人は学費全部只にすれば良いのです。
>外国人の学費を只にしても日本の役に立ちません。本当に馬鹿なことをやっているものです。


仰ること、大変良く分かります。
用は本人のやる気次第、それをいかに引き出すかが教育の基本でしょう。
日本にはいい例が沢山あります。
政治家で言えば田中角栄(彼の功罪は別として)
製造業では本多宗一郎などなど。

がしかし昔と今で決定的に違う事が有る。それは科学技術の進歩でいわゆる力仕事が機械化されたこと。
昔の土方の仕事は大部分はユンボに代わりました。
昔の女性事務員のそろばん仕事は全部コンピューター。
覚えてますよねえ、昔は銀行には女性事務員が一杯いてお花畑状態。今はその仕事は全部なくなってさびしい限り。

難しい時代になったものです。

 
 

2013/07/29 10:39

Commented by kazk さん

小生、元塾教師、科目は国語がメインでした。その後も家庭教師などを時々やりましたし、友人にその手の人間がいますから今の状況は把握してるつもりです。

学力の低下は「ゆとり」に始まるわけではありません。大学進学率の向上とともに実質学力が低下するというおかしな現象がずっと続いてるのです。

それはどうして分かるのか、義務教育の教科書を見れば明白だからです。最も高度なのは1965年くらいでしょうか。小生中学の頃にその教科書を見て青くなったことを覚えています。その後、塾教師になって不思議に思ったことは学力低下は徐々に来るのですが、テストの結果はいちどきにドカンと来ます。10年に一度くらいでしょうか、1960年前後の生まれ、に一度あり、その後10年に一度のカリキュラムの改定は「ゆとり」の推進そのものでした。

おそらく国はゆとりを推進しても最上位のレベルに変化はないと高をくくっていたのだと思います。確かに上位の1%に変化はありません。そもそも教育不要の層だからです。ところがこれは上位の2割くらいまでに壊滅的な成果を上げます。この時の結果が大学の上位校を軒並みダメにしました。学力がどうしようもなく低下するのです。

この復活には早くて30年、おそらくは半世紀がかりの事業です。都内あたりの大きな本屋に行ってみるといい、大学生が読むだろう参考書類のレベルが全てを物語ってます。

ただ1つだけ救いがあるとすれば真面目な現場の教育力は決して落ちていないということです。基礎的能力ぼ無い子供を教育するということで相当力はついてます。

あと救いは今の子供が予想外にすなおなことです。人の言うことを案外素直に聞くのですよ。案外希望はあるかもしれません。

ゆとり教育は一部官僚と日教組の合作という日本の悪夢のようなコンビでした。物事の推進元を見ればその内容がわかるというのはなんとも言えないものです。