( 7/29 付 )

 8月4日は、語呂合わせで「橋の日」だそうだ。身近にある川と橋に親しんで地域への愛着を深めようと、28年前に延岡市で提唱されたのが始まりだ。いま橋の日の活動は32都道府県に広がる。

 今度の日曜日、鹿児島でも各地の河川で美化作業に汗を流す光景が繰り広げられるだろう。鹿児島市の南部を流れる永田川も、中流域の住民らが川をきれいにするプロジェクトを立ち上げて、参加者を募るなど準備に追われている。

 永田川は清流を取り戻しているとは言い難いが、地区民には朝夕の散歩などで慣れ親しんだ憩いの場だ。甲突川河畔のように桜を楽しめる遊歩道ができれば、とメンバーが張り切るのもうなずける。

 そのリーダーが市交通局職員の上村幸一さんだった。ただ無念にも1年前の暑い盛りに病に倒れて、56歳で急逝した。河畔をきれいに整備し、桜の名所にするという夢を実現できなかったことが世話役として一番の心残りに違いない。

 プロジェクトは毎月開く親睦会で桜の苗を植樹するための資金を募っている。4年かけてためた資金は桜より東日本大震災を優先して全額を義援金にした。次回にかけた資金集めは道半ばである。

 むろん行政との調整など厳しい手続きもあって、桜の植樹が簡単に実現するとは思えない。それでも遺志に報いようと仲間たちは動く。いつか満開の桜が川面に映える日がくればいい。


 
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