2013-07-28
■ 論理的思考の一つの特徴、二つの目的
論理的思考とは他者が自分の思考過程を検証できるように思考を進めていくこと、あるいは、そのような思考の進め方のことを言う。他者が自分の思考過程を検証できるようにするということが論理的思考の特徴である。
なぜ、論理的思考が必要になるのかと言うと以下の二つがその理由
- 説明:自分の考えていることを他人に理解してもらうため
- 可視化:何かを考えるときに「他人の目」を自分の内部に導入するため
そもそも、他人に説明したり、理解してもらう必要がないならば論理的に思考する必要はない。直観や霊感にしたがって何でもやれば良い。でも、他人に理解してもらうため、あるいは納得してもらうためには、自分がどういう理由で、何を、どう考えたのかを相手にわかる形で示さなければならない。
他人が自分の思考過程を検証できるように思考を進めていくと、自分の思考過程が可視化される。可視化することにより、一歩引いた視点で、検討範囲に漏れはないか?思考の途中に飛躍がないか?現在、結論へ向かって思考が進んでいるか?などを確認することができる。この結果、可視化しないときよりも、より網羅的に、より厳密に、より深く思考を進めることができる。
論理的思考は何と違うのか?
- 論理的思考は主張の正しさや妥当性を保証しない
- むしろ、自分の考えが間違っていることを相手に素早く指摘してもらうために論理的に考えたり、説明したりしている
- 話し方が論理的だからと言って、話していることが正しいわけではない
- 論理的思考は形式論理学(記号論理学)ではない
- 形式論理学はどのような論証が妥当であるのかを各命題の意味を取り除いて議論するのが目的の学問。言い換えると、論理的思考方法自体を抽象的に検討するのが形式論理学の役割。
- なので、形式論理学を学んでいなくても論理的思考を行うことはできる。
- すごくモヤモヤする。論理学の話は何の関係が?
- 論理学を勉強する時に私は何が難しいと思ったのか
- 論理的思考は批判的思考(クリティカルシンキング)と同じではない
- 批判的思考は、自分あるいは相手の主張を鵜呑みにせず、その真偽や妥当性を検討するという思考方法。検討の際に論理的思考を使うこともある。
- 論理的思考は証拠に基づく〜(Evidence-based 〜 )と同じではない
- 論理的思考は理屈優先を意味しない
- 論理的思考できる人が批判を受け入れられるとは限らない
- 自分の思考過程の誤りを指摘されたときに、それを受け入れられるかどうかと論理的思考ができるかどうかは別の話
- ただし、論理的思考をできる人の方が、思考過程の誤りを認識することができるので、その指摘を受け入れやすい可能性はある
おわりに
デマこいてんじゃねえ!:自分を論理的だと思っている人へ/論理的思考は魔法の杖ではないって話を読んでもやもやしたので書いた。論理的思考に対する批判ではなくて、「自分を論理的だと思っている人」がやりがちな振る舞いに対する批判。
トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/next49/20130728/p1
リンク元
- 106 http://b.hatena.ne.jp/
- 78 http://cloud.feedly.com/
- 76 http://t.co/ZV1of0ESKX
- 60 http://www.hatena.ne.jp/
- 45 http://b.hatena.ne.jp/hotentry
- 27 http://www-ig-opensocial.googleusercontent.com/gadgets/ifr?exp_rpc_js=1&exp_track_js=1&url=http://www.hatena.ne.jp/tools/gadget/bookmark/bookmark_gadget.xml&container=ig&view=default&lang=ja&country=JP&sanitize=0&v=56723dfc64bd1f4d&parent=ht
- 22 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/knowledge
- 21 http://hatebu.straightline.jp/
- 19 http://bit.ly/1bz546S
- 18 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/next49/20130728/p1