メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック
汚染水流出―規制委が陣頭で対応を

いったい、この2年4カ月あまり、何を学んできたのか。福島第一原発で放射性物質に汚染された水が、海にも流出している問題である。東京電力の対応のお粗末ぶりには驚くばかりだ。[記事全文]

コミッショナー―この退場勧告は重い

選手たちによる前代未聞の退場勧告である。労組日本プロ野球選手会が、加藤良三コミッショナーに「不信任決議」を突きつけた。決議に拘束力はないが、コミッ[記事全文]

汚染水流出―規制委が陣頭で対応を

 いったい、この2年4カ月あまり、何を学んできたのか。

 福島第一原発で放射性物質に汚染された水が、海にも流出している問題である。東京電力の対応のお粗末ぶりには驚くばかりだ。監督責任がある経済産業省資源エネルギー庁や原子力規制委員会などの当事者意識も、あまりに薄い。

 福島第一原発では原子炉を冷やすため、今も注水が続く。放射性物質と触れて汚染した水の一部が地中に漏れ出ており、海にも達していた。3号機では高線量の正体不明の「湯気」も観測されている。

 放射性物質が大地や海、大気に放出されている現状は、紛れもなく事故の継続である。原子力災害は終わっていない。関係者は事態を深刻に受け止め、緊急時のように対応すべきだ。

 事故・災害対応で最も重要なのは、できるだけ早く正確に状況をつかんで公表すること、事態の全容がわからなくても先を読んで被害の拡大防止を図ることである。

 東電の対応はどうだったか。5月下旬に建屋海側の地中で放射性物質が検出されても、海への流出の可能性を長く認めようとしなかった。海と地下水の関係が焦点になっているのに、井戸の水位が潮位と連動していたという重要な情報が社内で共有されなかった。

 今月18日に海への漏出を東電として確認し、社長も19日に漁協関係者らへの連絡を指示したのに、公表は22日夕の定例記者会見まで遅れた。

 原発事故発生後から指摘された不手際を、なぜこうも繰り返すのだろうか。

 まったく反省してこなかったのか、反省がいかされなかったのか。東電は否定するが、公表が参院選後になったことは、選挙への影響を避けるためだったのではないかと勘ぐられても仕方あるまい。

 東電は柏崎刈羽原発の再稼働をめざしているが、原子力をゆだねられる信頼感はまったくない。論外と言うべきだろう。全社をあげて、環境への放射性物質の漏れを防ぐことに集中する必要がある。

 国の関係機関の事故対応能力も問われている。規制委はこの際、受理した他の電力会社の再稼働の審査を後回しにしてでも、福島の原子力災害対策の陣頭指揮に当たるべきだろう。

 重大事故の際に起きうる汚染水の海への漏出防止策は、施行されたばかりの規制基準で十分なのか。規制委には今回の海の汚染を教訓に、改めてきちんと検討してもらいたい。

検索フォーム

コミッショナー―この退場勧告は重い

 選手たちによる前代未聞の退場勧告である。

 労組日本プロ野球選手会が、加藤良三コミッショナーに「不信任決議」を突きつけた。

 決議に拘束力はないが、コミッショナー、そして日本野球機構(NPB)は、重く受け止めるべきだ。

 「飛ばないボール」と不評だった統一球を、今季から飛びやすいように、こっそり仕様を変えていたことが明るみに出たのは、6月だった。

 加藤氏は、ボールを製造するメーカーへの変更の指示を「知らなかった」と言い、当初は「不祥事ではない」と開き直った。その責任感のなさに、選手と野球ファンはあきれた。

 「プロ野球選手にとっての命であるボールが変わったという重大なことを、知らなかっただけで済ませようということが信用できない」。嶋基宏会長(楽天)の言葉に、加藤氏はどう答えるのか。

 大リーグなどの国際規格にあわせようと統一球導入を進めたのは、ほかならぬ加藤氏だ。その当人が知らないまま、事務局が勝手にメーカー側に指示していたとしたら、お飾りに過ぎないということになる。

 責任の所在はあいまいで、ガバナンスもいい加減。これが民間企業だったら、とっくに潰れているだろう。

 そもそも、プロ野球コミッショナーとは何か。

 野球協約を読むと、プロ野球に関する「議決機関」はオーナー会議と実行委員会で、コミッショナーはそこで決まったことの「執行機関」とある。

 事実上、最高実力者ではない。意地悪く解釈すれば、非常勤で年間2400万円の給与を受け取る名誉職とも読める。

 統一球問題が明るみに出た後のオーナー会議で、加藤氏の責任を追及する声は高まらなかった。自分たちが選んだコミッショナーへの配慮なのか。それとも、実行力のあるトップにかき回されてはかえって迷惑ということか。

 それでも、一部のオーナーからは事実上の非常勤を常勤にして職務に専念してもらうべきだという改革案が出ている。密室性が高かったコミッショナーの選び方も、選考委員会で絞り込むべきだとの声がある。

 今回の問題を、閉鎖性を指摘される球界が生まれ変わるきっかけとしたい。

 加藤氏は「地位に恋々とはしない」という。だったら、来年6月の任期を待たずに退き、みずからNPBの刷新に道を開いてはどうか。

検索フォーム

注目コンテンツ

  • ショッピング旅行を快適にする5つの家電

    飛行機に乗るならNCイヤホン

  • ブック・アサヒ・コム大人のための深海魚図鑑

    びっくり生命体で世界観変わる

  • 【&M】ドクターイエローも登場

    浜松の新幹線工場でイベント

  • 【&w】義足の女神たち

    「切断ヴィーナス」まっすぐ見て

  • Astand右と左と、どっちがえらい?

    左前、左遷…なぜ「左」?

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014