さようなら尾崎紀世彦:若き日の「宇宙刑事シャリバン」での勇姿をここに
テーマ:ブログ
歌手尾崎紀世彦が冥府へと旅立った。
ちょっと前ワイドショーで自宅が荒れ放題で連絡も取れず、「尾崎紀世彦失踪!」とかいうタイトルで取り上げられていた。泥棒などが入って迷惑したそうだが、近親者は「失踪ではなく都内にいる」と云っていたのが思い出される。癌の転移で亡くなったそうだ。
「また逢う日まで」という傑作ばかりでなく、その圧倒的な声量と張りのある声でファンは多いと思う。
このブログではありきたりな追悼ではなくマニアックな視点で進めていく。
恥ずかしながら私が尾崎紀世彦を知ったのは、若かりしし頃、「宇宙刑事シャリバン」の熱狂的なファンであったとき、第27話「裏切りの空 暗黒刑務所からの逃亡者」のエピソードを見てのことだった。
東映の特撮ヒーローの変遷の中でも異彩を放つこの傑作はウルトラセブンで有名な上原正三がシリーズ構成を担当し、ありがちな一話完結のシリーズの中で、縦のインサイドストーリーとして、宇宙刑事が戦う「宇宙犯罪組織マドー」によって滅ぼされた「イガ星」の末裔である主人公シャリバンこと「伊賀電」がマドーと戦いながらイガ星の末裔たちと出会い、いつの日かイガ星コミュニティーを再生することを夢見ているという設定があり、全52話のシリーズの随所でキーとなるエピソードが散りばめられているが、この第27話もそのひとつである。
私の秘蔵(?)コレクションから画像および映像を紹介する。
マドーの魔の手を逃れた異星人の自由主義者たちが集まっている。刈れた派マドーの絶滅を願うオルガナイザーで、勇姿の団結を図るため銀河星団の各惑星を歴訪している。その会合にシャリバンも参加していた。全宇宙に散っている仲間たちに「あくは必ず滅びる」という激励のメッセージを発信するが、それを傍受したマドーは怒り狂っていた。
そんな中、バード星の宇宙刑事指令本部からマドーの暗黒刑務所から脱走した者が宇宙艇を奪って地球に向かったとの通報が入った。
マドーに追われる青年マリオ(尾崎紀世彦)を救ったシャリバンは負傷して失血しているマリオの血液型を調べて愕然とする。
シャリバンと同じイガ星人の血液型だったのだ。
話をきいてみるとマリオの祖先も別の星でで生き延びて、その指導者だった父はマドーの暗黒刑務所獄死し、彼はそこで生まれたこと。母はいまだ暗黒刑務所で囚われの身であるとのことなどを知らされる。
自らの血液を輸血して助けた男はシャリバンにとって兄弟のような存在であったのだ。
イガ星の末裔をみつけて喜んでいる矢先、コム長官から通信が入る。
マドーの暗黒刑務所から脱走できた者はいないとのこと。「マリオを疑えというんですか」と憤るシャリバンにコム長官は「そうは言わないが、相手がマドーであるから気を許すな」とい釘を差す。
「ようやく見つけた兄弟に疑われるのであれば、暗黒刑務所で死んだ方がマシだった。」
「ワアっ」と泣きながら駆け出すマリオ。
そこのマドーが現れマリオは囚われの身となってしまう。
ガイラー将軍「こいつを助けたければお前が匿っている3人の宇宙からのオルガナイザーを連れてこい」
「俺は血を分けた兄弟を疑った。そしてマドーの魔の手に渡してしまった。
何という情けない男だ、俺は!」と、悔やむシャリバン。
ここでAパート終了
アイキャッチ
オルガナイザーたちと人質交換の件を相談するシャリバン。
だが、彼等の使命はマドーの絶滅を狙う宇宙の戦士たちを結集させることで、人質交換の人見御供になれる筈もなかった。
「それにマリオという青年は本当に信じられるのか」
「俺は彼を信じます。何故ならば俺たちは血を分けた兄弟だからです」と、シャリバン。
驚くオルカナイザーたち。
「あなたがマリオを信じるなら私たちも信じましょう。人を信じることができなければ、私たちは勇気ある戦士の結集を図ることはできません。」
協力を申し出る。
マリオがシャリバン側に渡った瞬間、突然マリオがシャリバンに剣で斬りつけてきた。
驚くシャリバン。
マリオ「見事罠に嵌ったな。俺はあの3人をおびき出すために魔王サイコの命を受け、わざと暗黒刑務所から脱獄したのさ。」
信じられない様子のシャリバン「俺たちは血を分けた兄弟だったはずだ。
あれは嘘だったのか、マリオ!」
信じていたんだ!」
たじろぐマリオ。
「裏切りは許さん!」とガイラー将軍の攻撃を火ぶたに乱戦となる。
加勢に来たリリィかr母が暗黒刑務所から宇宙空間に身を投げて自殺したことを知らされて茫然自失するマリオ。
ビーストと戦っているシャリバンを助けるために思わず剣を投げるも返り討ちにあってしまう。
非情にもマドーによって「幻夢界」に引きずりこまれるシャリバン。
戦いが終わってからは下のムービーで。
マリオの墓標の前でたたずむシャリバンたちのシーンのバックに流れる歌は「星空の街を歩こう、」尾崎紀世彦によるものである。作曲はもちろん渡辺宙明だが、作詞は意外にも小林義明。このひとは何人かいる監督のひとりで、シャリバンのカッコイイ演出はほとんどこの人の手によるものらしい。シリーズとしては気合を入れている挿入歌ということだと思うが、あまり使われていなかったように記憶している。
尾崎紀世彦のファンでもこの歌は知らない人もいるかもしれないので、ここで紹介した。
数年前何かの音楽番組で尾崎紀世彦がミスチルの「イノセントワールド」を唄っているのを見たことがあるが、やはりうまいなーと感心したものだ。もう彼が新しい歌を唄うことがないと思うとさびしい限りだ。
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1 ■心よりのお悔やみ
ムービー見ること出来ないの、、、残念なり
金曜日、訃報を聞いて【また逢う日まで】を絶叫するためだけに街に出ました。
レコード大賞を獲ったとき、当時私は小3でした。
本当に、大好きでした。
素晴らしい歌い手さんでした。
天才でした。