過激派とつながる危険人物
反原発を主な主張として参議院選挙に当選した山本太郎氏に対して、さっそく激しい逆風が吹いている。中核派がHP上で応援する意向を示したことから、「過激派とつながる危険人物」とする情報も流れているが、これを問題視するなら、多くの政治家が炎上することになる。
山本太郎は中核派?
福島第一原発事故では、大量の放射性物質が放出され、関東全域はおろか世界中に拡散しつつある。しかも事故は未だ収束しておらず、東電の対策不足もあって、高濃度の汚染水が海に流れ込み始めている。
ただ、電力各社が大スポンサーとしてついている大手メディアには、この件について正面から切り込むものは少ない。芸能界に対しても、半ば公然と圧力がかけられており、反原発を口にしようものなら、仕事が激減する状況となっている。
そんな中、山本太郎氏は事故直後から、一貫して脱原発を訴える活動を続けてきた。迷惑がかかるから、と事務所を辞めてまで原発に反対する姿勢を示した芸能人は彼だけである。
参議院選挙では、そんな活動の集大成として東京選挙区から立候補。多くの支持を得て当選を果たした。そんな山本氏について、中核派と関係があるのでは、という疑惑が選挙期間中から示されてきた。
理由は単純だ。中核派の公式サイトに山本太郎候補を応援する、という内容が掲載されたためである。これに対する山本氏側のコメントは、「誰が応援してくれるのか関知しない」という常識的なものだった。
猪瀬東京都知事はテロリスト?
勝手に応援されてしまっただけで、山本氏が危険人物なら、実際に過激な左翼団体の一員だった人物はどう取り扱えばよいのだろう。猪瀬直樹東京都知事は信州大学在学中、全共闘の議長を務めた強者だ。
民主党の枝野幸男元幹事長は、東北大学在学中やはり学生運動に参加していたことで知られる。平成8年に衆議院議員に立候補する際にも、革マル派幹部と推薦に関する覚え書きを交わしていた、と報道されたが、これを否定しなかった。
はるかに関連性の薄い山本太郎氏を危険人物と報じるなら、彼らはテロリストとでも呼ばねばなるまい。
今後も、山本太郎氏をめぐる報道には、やはりかなりの偏向が見られるだろう。電力会社が情報戦をやめない限り、その傾向は変わらない、と考えるべきだ。
◆中核派
http://www.zenshin.org/index.htm?__from=mixipage