学力一辺倒でない試験を
下村文部科学大臣は25日、大学入試改革について「学力一辺倒ではない、人間力を判断する入試のあり方を議論していきたい」とする考えを示した。25日、NHKが伝えた。この発言について、ネット上では強い批判の声が集まっている。
入試センター視察後に
政府の教育再生実行会議では、議論を重ねて今秋にも安倍総理大臣に、改革案を提出する予定。下村文部科学大臣は25日、その参考にと東京・目黒区にある大学入試センターを視察した。
視察後、記者団に対しては「学力一辺倒でなく、人間力を判断する入試のあり方について議論を進めたい」という考えを示した。
原点は非科学的な「親学」
この発言について、ネット上では「気持ち悪い」など、批判的な意見が集まっている。下村大臣は、安倍首相を中心に結成された「親学推進議連」に所属する。
親学は「新しい歴史教科書を作る会」の元副会長で、靖国神社崇敬奉賛会に所属する「やすくに活性塾」の塾長高橋史朗氏が提唱する理念。戦前の伝統的な子育てを推奨し、親をまず教育することで、子どもへの教育を改革していく、という考え方。
これに感銘を受けた安倍晋三首相が、国の教育改革にも持ち込むため、結成したのが親学推進議連である。親学ではしばしば、人間の内面を評価する基準として「人間力」という言葉が使われる。
親学の主張については「非科学的」とする批判が多い。日本維新の会の橋下徹代表は、親学がアスペルガー症候群など、発達障害の子どもについて、親の子育てに問題がある、と決めつけている点などをとらえて、科学的ではない、と批判している。
◆下村博文
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/meibo/