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出戻り20年…両親亡くなり孤立か?強い絆の集落溶け込めず

山口・周南の5人殺害事件 自宅前警備する警察官
保見光成容疑者の自宅前を警備する警察官
Photo By 共同 

 逮捕された保見容疑者は事件が起きた周南市金峰の出身で、農林業を営む両親に育てられた。少年時代、別の名前を名乗り、周囲からは親しみを込めて「わっちゃん」と呼ばれていた。10代後半からは川崎市へ移り、左官の修業を積んだ。

 故郷に戻ってきたのは20年ほど前。当時、保見容疑者の自宅に出入りしていた女性(64)によると、技術を磨いた腕をふるい、自宅を建築。地元のテレビ番組で取り上げられ、集落でも大きな反響を呼んだ。女性は「自宅に行くと(保見容疑者が)毎日うれしそうに迎えてくれた。特に変わった感じはなかった」と振り返る。

 周囲との関係が変わり始めるのは、両親をみとった後のここ数年。強い絆で結ばれた集落に溶け込めず孤立を深めていった姿がうかがえる。

 「声を掛けても答えない。冠婚葬祭にも関わらない。回覧板も受け取らないので、飛ばすようになった」とは近所の男性。保見容疑者が飼い始めた犬を「臭い」と言われるなど、犬をめぐるトラブルもあった。奥深い山間部にあり、ほとんどが60代以上という8世帯の集落。お互い顔見知りで「家族のよう」と住人が評する雰囲気の中で、次第に誰からも声を掛けられなくなった。

 遺体で見つかった河村聡子さんはかつて「犬が寄ってきたのでよけたら“叩き殺す気か”と言われて怖かった」と知人に漏らしていた。自宅に上半身裸のマネキン人形や、実際には作動しない監視カメラを設置するようになり、2011年正月には「孤立している」と周南署に相談したこともあった。「みんな仲良しなのに、1人だけ浮いた存在」。集落の知人らによると、保見容疑者は村おこしを提案すると反対されるなど、ほかの住人から受け入れられていなかった。

 かつて仕事で集落に出入りしていたという男性会社員は「一度東京に出たよそ者として(周囲と)うまくいっておらず、長年のうっ憤がたまっていたのではないか」と話した。

[ 2013年7月27日 06:00 ]

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