諫早湾干拓事業:開門を実現へ “宝の海”再生、市民集会 /長崎
毎日新聞 2013年04月14日 地方版
諫早湾干拓事業の開門を実現して環境再生と地域の未来をつくろうという市民集会が13日、諫早市であり、約60人が干潟の再生などについて話し合った。
14日で潮受け堤防閉め切りから16年を迎え、福岡高裁判決で命じた開門調査開始の期限が今年12月に迫る中での集会。「よみがえれ!有明訴訟」弁護団の堀良一事務局長が「漁業被害はどんどんひどくなっている。開発による最大の環境破壊だ。宝の海再生に向けて大きな一歩を踏み出そう」と訴えた。
また、佐藤正典・鹿児島大教授は、干潟を活用した韓国・順天(スンチョン)市の地域活性例を示しながら「諫早湾は日本最大の泥干潟で、多くの絶滅危惧種が残っている。排水門を開放して大規模な環境復元を実行すれば、地域再生にもなる」。片寄俊秀・元長崎総科大教授も「大規模干潟を復元し、有明海が再生すると九州全体が活気づく」として「環境博覧会都市」構想を提言した。
14日は午前10時から同市白浜町で、湾内の死滅した生物を弔う「干潟慰霊祭」がある。【武内靖広】
〔長崎版〕