超学歴社会なのに大学ランキングは低迷、4割が年間1冊も本を読まない
「世界一優れた文字を守れ」ハングル至上主義で漢字を忘れた韓国人は「大韓民國」が書けない
(SAPIO 2013年7月号掲載) 2013年7月25日(木)配信
文=呉善花(評論家)
韓国は世界一の学歴社会と称されるが、そのイメージとは裏腹に“知の崩壊”が進んでいる。評論家の呉善花氏がその背景を解説する。
韓国の受験戦争は苛烈だ。大学入試の当日は、試験に集中できるよう会場近くでは飛行機の離発着が禁止され、道路が通行止めになるほど。
それほどまでに韓国は厳しい学歴社会であり、大学進学率は日本が50%台なのに対し、韓国ではピーク時の08年には83・8%に達した。OECD加盟国で最も高い水準だ。
その準備は幼少期から始まり、多くの家庭が塾に大金を注ぎ込む。97年には小学校で英語教育が必修化されるなど、初等教育レベルでの学力は国際的に見ても高い(国際教育到達度評価学会による小学4年生対象の調査では50か国中、算数が2位、理科が1位)。
ただ、成長するほどレベルが下がる。東京大学が27位に入った大学ランキング(イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」による「世界の大学ランキング」2012年発表)ではソウル大は59位。金大中元大統領の平和賞を除けばノーベル賞受賞者は一人もいない。
学歴さえ手に入ればよくて、さらに深くものごとを学ぶ意味を見出せない者が多いように思えてならない。
韓国の書店には参考書を選ぶ学生の姿ばかりで、社会人の姿はほとんど見られない。韓国人は世界一読書量の少ない国民と揶揄されていて、韓国統計庁による調査では韓国人の40%以上が年間1冊も本を読まず、平均読書量は5・3冊だという。調査方法は違うが、“読書離れ”が指摘される日本人でも年間約19冊。かく言う私も初めて日本を訪れた時は、仕事と関係のない分野の本を読み、教養として歴史や文化を学ぼうとする日本人の姿勢に驚いたものだ。
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