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気仙沼で木質バイオ発電施設着工 来年3月に稼働
 | 熱電併給プラントの建設を前にくわ入れをする高橋社長=25日、気仙沼市港町 |
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荒れた山の整備とエネルギーの自給自足を目指す地域主導のプロジェクトが宮城県気仙沼市内で始まる。「気仙沼リアスの森BPP(バイオマスパワープラント)」工事の安全祈願祭が25日、現地であった。事業を担う気仙沼地域エネルギー開発(気仙沼市)は「地域循環型のエネルギー供給体制を構築していきたい」と意気込む。
BPPは、間伐材など木質バイオマスエネルギーを活用するコージェネレーション(熱電併給)プラントで2014年3月に本格稼働する。電気は固定価格買い取り制度を活用して1キロワット当たり32円で販売し、発電時の廃熱は市内の2カ所のホテルに届ける。
発電能力は800キロワットで、年間通して稼働すれば一般家庭1760軒分の電力を供給することができる。1時間当たり851メガカロリーの廃熱はホテル内の温泉の湯沸かしや空調などに活用する。
気仙沼市は市域の約70%を山林が占めるが、安価な輸入材に押されて林業は低迷。手入れが進まず荒廃した山も目立つ。
東日本大震災後に設立されたエネルギー開発は、再生可能エネルギーの導入を模索する中で、未利用の間伐材が市内に多く残っていることに着目。被災地復興を支援する国の「緑の分権改革」の補助を受け、12年度から事業化調査に取り組んできた。
間伐を促すため、買い取り価格は相場の2倍の1トン6000円に設定。このうち半分の3000円は地域通貨「リネリア」で支払い、市内経済の活性化も図る。リネリアは市内の仮設商店街など約180店舗で使える。
BPPに必要な間伐材は年間8000〜1万トンと想定。木材の買い取りを昨年12月から試験的に実施しており、既に約1000トン確保した。林業に携わる人材の発掘を目指した教育プログラムも昨夏から開講しており、未経験者も含め約130人が参加している。
安全祈願祭には、行政の担当者や工事関係者ら約50人が出席した。エネルギー開発の高橋正樹社長があいさつし「木材の収集やプラントの運営など課題はたくさんあるが、絶対に成功するという強い気持ちで取り組みたい」と語った。
2013年07月26日金曜日
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