沿岸漁業権を民間企業に開放する水産業復興特区で、宮城県は26日、特区適用対象となっている石巻市桃浦地区の漁業権免許の申請を締め切った。地元漁業者と水産卸の仙台水産(仙台市)が出資する「桃浦かき生産者合同会社」と、県漁協が申請した。
宮城海区漁業調整委員会は8月7日、漁業法に基づき合同会社に漁業権免許の適格性があるかを判断する会議を開く。適格性が認められ、一定の条件も満たせば、合同会社に特区が適用される。特区適用により、通常は漁協に優先して付与されている漁業権が合同会社に与えられる。
適格性の審査は(1)順法精神が欠落していないか(2)漁村の民主化を阻害しないか−などの観点で行われる。
さらに、(1)カキ養殖の具体的計画がある(2)社会的信用性がある(3)周辺漁業者やカキ養殖以外の水面利用に支障がない−などの条件を満たす必要がある。
ことしは5年に1度の漁業権一斉更新の年に当たり、県は5月末、漁場区割りを決定。6月3日から各漁場の漁業権申請を受け付けていた。
カキやノリ、ワカメの養殖のために設定された567カ所の区画漁業権のうち、桃浦地区の4カ所が特区適用対象の漁場となっている。
新たな漁業権の免許期間はことし9月から5年間。