大津市立中学２年の男子生徒が自殺した問題で、市教委と通学先の中学校が、市の第三者調査委から指摘された対応の問題点について再回答をまとめたことが１８日、市教委への取材で分かった。自殺直後に第三者調査委を設置しなかったことなど対応の甘さにも触れている。近く越直美市長に提出する。

　回答を巡っては、市教委が、市教委分６ページ、学校分５ページにまとめ２月に提出したが、「第三者調査委の全ての指摘に答えておらず、なぜ問題が起きたかの分析がない」などとして越市長が再回答を求めた経緯がある。

　新しくまとめた回答は学校約４０ページ、市教委約４０ページ。市教委分の回答では、第三者調査委について自殺の発生直後や生徒へのアンケート実施後など、複数あった設置の機会をいずれも逃していたと分析。学校による調査の限界を遺族に説明し、第三者調査委の設置を勧めるべきだったとの反省を盛り込んだ。

　一方、学校分の回答では、いじめに気付くのが遅れた背景として、２年生が他学年と比べて落ち着いており安心だと思い込んでいた上、ベテラン教員が多く互いに指摘し合う雰囲気が欠けていたと記述。常にいじめの可能性を疑うことの必要性を挙げている。【石川勝義】