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国際
【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 「朴大統領は日本の安倍晋三首相と同じく“鬼胎”」に韓国大騒ぎ
韓国は漢字を捨ててしまった国なのに時々、妙な漢字語が話題になる。今回は「鬼胎(クィテ)」なる言葉で、本来は医学用語の「奇胎」と同じという。「妊娠の際、子宮内で胎児が育たず形をなさない病気」のこととかで、転じて「生まれてはいけない子供」の意味として最近、韓国政界で大騒ぎとなった。
朴槿恵(パククネ)政権の足を引っ張るのに懸命な野党のスポークスマンが「朴大統領は日本の安倍晋三首相と同じく“鬼胎”だ」と公言したため、与党側が「選挙で選ばれた大統領の正統性を否定する暴言だ」と激しく反発。すったもんだの末、野党が謝って一件落着となったが、面白いことに「安倍首相にも謝るべきだ」などという声はどこからも出なかった。
韓国人のほとんど誰も知らないような難解な言葉を持ち出しての“鬼胎論争”だったが、発端は野党スポークスマンが「岸信介と朴正煕(チョンヒ)」と題する日本の本(翻訳)を読んだことからだという。
韓国マスコミによると、この本はタレント教授、姜尚中氏らが書いたもので、安倍首相の外祖父で戦前は旧満州国の官吏を務め戦後は首相になった「岸信介」と、朴槿恵大統領の父で戦前、満州国軍将校を務め、後に韓国の大統領になった「朴正煕」は、ともに“満州人脈”でつながっているから「日本帝国主義の鬼胎」というべき存在だったというのだ。
典型的な左翼的歴史観だが、とすると朴槿恵氏も安倍氏も“鬼胎”の血筋だから「本来、生まれてはいけない、存在すべきではない指導者」ということになる。この話に韓国の野党が飛びつき“朴槿恵たたき”に使ったのだ。血筋が大好きで、今なおネポティズム(身内びいきなど縁故主義)が蔓延(まんえん)している韓国ならではの発想だ。
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