【コタキナバル(マレーシア東部)=矢沢俊樹】環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の18回会合が25日、閉幕した。参加12カ国は難航する関税分野の交渉を加速することで合意。12カ国での交渉と並行して2国間で協議を進め、8月22日に始まる次の会合までに重要品目を絞り込む。共同声明からは「年内妥結を目指す」との文言がなくなり、交渉は越年する可能性が高い。
今回のTPP交渉会合は15~25日に開催。関税の引き下げを議論する市場アクセス、著作権の保護強化などを求める知的財産権、魚の乱獲などを規制する環境など計13分野で各国が議論した。
各国の利害が対立する関税分野は今回も合意しなかった。日本政府の鶴岡公二首席交渉官は記者団に「関税交渉はまだ緒についたばかり」と強調、日本の交渉余地はまだあるとの認識を示した。議長国マレーシアのジャヤシリ首席交渉官は会合後の記者会見で「より困難でセンシティブ(重要)な論点に取り組む段階にさしかかっている」と述べ、これまでより作業を急ぐ必要性を訴えた。
12カ国は次の会合を8月22~30日にブルネイで開くことで正式合意。全体交渉と同時に個別交渉も進める。ワイゼル米首席交渉官は25日の記者会見で「加盟国との間でできるだけ多く関税交渉を進めることで合意している」と指摘。2国間・複数国間の個別折衝が軸になるとの見解を示した。
一方、ワイゼル氏は「各国との自由貿易協定(FTA)などで合意している部分は(TPPの)市場アクセスの包括的な合意に反映される」とも説明。米はオーストラリアやチリとFTAを結んでいる。2国間、複数国間を問わず、砂糖など決着済みの「聖域」の扱いはTPPでも原則、変更しない考えを示した。
鶴岡氏は「困難な案件は議論に開きがある」と認める。各交渉官は「年内に交渉を終える目標は変えていない」(ジャヤシリ氏)「年内に交渉を終えることができると確信している」(ワイゼル氏)と強調するが、ハードルは高い。知財や国有企業改革、環境なども交渉は遅れており、年内妥結に黄信号がともる。
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