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英国のデヴィッド・キャメロン首相は現地時間22日、同国内からのアダルトコンテンツへのアクセスを基本的に禁じるなどとする、未成年者保護を目的とした抜本的な対策を発表した。
この計画では、アダルトコンテンツを提供するウェブサイトへのアクセスがISP事業者の段階で自動的にブロックされることになり、この自動フィルタリング機能を利用したくないユーザーは、プロバイダーへの申請が必要になるという。この仕組みは来年末までに導入される予定で、まずは新たなユーザーやプロバイダ変更を行うユーザーを対象にフィルターが自動でかかるようになるほか、既存ユーザーもフィルター利用をするかどうかをプロバイダーに回答する必要があるという(フィルターの設定は契約世帯ごとになる)。
さらに、新たに販売される全携帯通信端末への規制フィルター導入や、パブリックWi-Fi経由のアダルトコンテンツへのアクセス禁止などの対策も含まれるという。
またこの計画には、アダルトコンテンツに関連する一部の検索ワードやウェブサイトへのアクセスを不可能にするための対策も含まれている。こちらは、悪影響があると判断される検索ワードをChild Exploitation and Online Protection Centre (CEOP) という団体がリストアップし、このブラックリストを使って情報源へのアクセスを規制するというもの。さらに、不適切な内容のあるウェブサイトに対抗するため、米英両国によるタスクフォースも作られるという。
このほか、キャメロン首相は10月に主要な検索サービス各社の関係者と会って、ブラックリストを使ったアクセス規制の進捗状況を確認することに加え、確たる進捗がみられない場合には、対策の実施を促す法案の提出も視野に入れているという。
さらにこの計画には、暴力行為などを含む過激な内容のポルノグラフィーの公開・所有を違法とする法改正も含まれている。こうした行為はすでにスコットランドで違法となっているいっぽう、イングランドやウェールズではまだ違法になっていないなどのバラツキがあり、それが抜け道として利用されることもあるという。
キャメロン政権に対しては、有害サイトの規制対策を求める声が高まっており、今回のような計画の発表は数週間前から予想されていたという。この発表に対して、一部の人権擁護団体からは高く評価する声明が出されているいっぽう、ISP段階でのフィルタリングなどについては本当にうまくいくのかといった疑問の声も上がっているとThe Vergeは記している。
なお、有害コンテンツの取り締まりキャンペーンを続けてきているDaily Mailによると、英国では昨年、児童の性的虐待シーンを含むウェブコンテンツを目にして刺激を受けたとされる成人男性が女児を殺害するという事件が2件も起こっており、このことが今回のような厳しい内容の規制案につながったものとみられる。
【参照情報】
・Cameron cracks down on 'corroding influence' of online pornography - Guardian
・Online pornography to be blocked by default, PM announces - BBC
・UK to block all online porn by default later this year - The Verge
・Porn depicting rape to be BANNED in crackdown on 'poisonous' websites as Cameron unveils protection for every home - Daily Mail
中村航、三国大洋(スタッフライター)
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