今月のメッセージ

紫陽花が咲くころからが特に好きな季節。

だんだん日差しが強くなってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

私は、このメッセージがアップされるころには閉幕している、東急シアターオーブ公演『戦国BASARA』の開幕を控え、佳境に入ったお稽古で汗を流しています。

暑いのが嫌いという方もいるかもしれませんが、私は6月生まれということもあって寒いのが苦手で、体を動かして汗をかくほうが気持ちいいと感じるタイプ。紫陽花が咲き始めたころから夏にかけてが特に好きな季節で、外も明るく風も爽やかになるので、朝出かけるときからエネルギーが湧いてきます。お稽古や舞台でも体が温まりやすいですし、普段も軽装で歩けるのがまたいい。海辺をビーチサンダルと半ズボンで走り回りたいくらいの気分になります(笑)。

夏の思い出といえば、“おじいちゃんの枝豆とトウモロコシ”。小さいころ、祖父が畑から枝豆とトウモロコシをよく穫ってきてくれて、それを母が茹でてくれて、夕方からお腹いっぱい食べるんです。そして、そのあと夕食ももちろん食べる(笑)、というのが夏の日の定番の過ごし方でした。穫れたての枝豆やトウモロコシは、本当に美味しかったです。食感や歯触りがよくて、味も濃い。いまでも、あの味が忘れられないですね。出身地の静岡県はビーチもたくさんあるのですが、実家は海から遠かったのであまり行かず、夏はもっぱらプール。小学生のときは、水着のまま帰ってくるくらいで、そういう夏の開放感が大好きでした。

宝塚に入団してからは、毎年8月に行われる宝塚観光花火大会が見られたらラッキーという感じで……。東京公演中やお稽古中だと見られないのですが、帰り道で見られるとテンションが上がります。劇団横の川で打ち上げられて、本当に絶景。下級生のときは、誰かの家に集まって鑑賞したこともありました。

そしてこの時期は、毎年お誕生日のお祝いをしていただけるうれしい季節でもあります。ファンの方からはお手紙や、皆さんのメッセージをファイリングしたものをいただいたりと、毎年いろいろと工夫してくださるので、とても幸せです。

組のみんなもお祝いしてくれるのですが、偶然にも、ロミオ、ショーヴラン、ジャッキー等、役替わりした日やその周辺に誕生日を迎えることが多く、私自身は役替わりのことで頭がいっぱい。そこにケーキが突然どこからともなく出てきて、「あ、今日誕生日だったんだ」と……。少人数での食事会と思いきやみんながいたり、毎回うれしいサプライズを用意してくれるのですが、朝楽屋に行ったら大好きな紫陽花があったときは本当にびっくりしました。私は普段からお化粧するスペースにお花を飾るのが好きなのですが、だいたいは一輪なんです。でもそのときは、「ハッピーバースデー」とデコレーションされ、紫陽花がドン、ドンと置いてありました。あまりお化粧をするスペースがないくらい紫陽花でいっぱいで(笑)、すごくうれしかったです。

青の上杉謙信から、赤の革命の闘士へ。

花組の次回の公演は、『愛と革命の詩』ーアンドレア・シェニエー『Mr.Swing!』です。お芝居のほうは、オペラの「アンドレア・シェニエ」をベースにしたミュージカルで、ちょうど『ベルサイユのばら』と『THE SCARLET PIMPERNEL』の間の時代を舞台にした作品。先日ポスター撮影があったのですが、フランス国旗の三色旗を意識した雰囲気に仕上がるようです。イメージカラーはまゆさん(蘭寿とむ)演じるアンドレ・シェニエが青、私が演じる革命の闘士・ジェラールが赤。『戦国BASARA』では、まゆさんの真田幸村が赤、私の上杉謙信が青だったので、まったく逆のイメージです。

まゆさん、らんちゃん(蘭乃はな)、私の3人の登場人物の恋模様が、植田景子先生ならではのドラマチックな雰囲気で描かれるのではないかと思いますし、上杉謙信からイメージもがらりと変えられるので、楽しみです。振付もハンブルクバレエ団初の日本人女性ソリストで、振付家としても活躍されている大石裕香さんが手がけてくださるので、いまからとてもワクワクしています。

またショーへの出演も、霧矢大夢さんの退団公演である'12年『Misty Station』以来です。最後に小さなショーがある1本物作品や芝居のなかでのダンス、また『戦国BASARA』もショーに匹敵するくらい戦いますが(笑)、ショー作品としては約1年半ぶり。踊って、早変わりしてまた出てというショー独特のテンポが久しぶりなので不安もありますが、楽しみでもあります。また、まゆさんのダンスが満載の作品になると思うので、勉強させていただきながら、付いていけるように頑張りたいと思います。

※このメッセージは、6/10(月)に届いたものです。