◇C大阪2−2マンチェスターU
C大阪―マンチェスターU C大阪イレブンと写真に納まるマンチェスターU・香川(中央)=長居陸上競技場
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サッカーのイングランド・プレミアリーグの昨季覇者、マンチェスター・ユナイテッドとC大阪の親善試合が26日、大阪・長居陸上競技場で行われ、2−2で引き分けた。2010年夏までC大阪に所属していたマンUのMF香川真司(24)が後半9分にゴールを決めた。C大阪は前半34分に杉本が先制点を挙げ、後半18分に南野が勝ち越し点を奪ったが、試合終了間際にマンUのザハに同点ゴールを許した。イングランド・プレミアリーグのアーセナルは浦和を2−1で下した。
悪夢の後に歓喜が待っていた。後半8分、ペナルティーキックの絶好機。ただ、キッカーの香川の顔はどこかこわばっていた。「これで決めてもうれしくないなあって。ちょっと迷いがあった」。左隅を狙った弾道はGK金鎮鉉(キム・ジンヒョン)にセーブされた。でも、ミスで立ち止まらないのが香川だった。
1分後。MFギグスからの左クロスを左足でトラップすると、高速反転からすぐさま左足を振った。今度は迷いなく、一直線に飛んだ弾丸はDF山下、金鎮鉉の2人の股の下を抜けてネットを揺らした。待望の凱旋(がいせん)弾。「結果的には(PKを)外して良かった。自分らしく、反転して流れから決められて良かった」。4万4856人の古巣ファンを沸騰させる一撃だった。
「特別な試合。ファンがサポートしてくれて素晴らしい雰囲気をつくってくれた。サッカー人生の中でも1つの歴史、誇らしいこと」
胸中には特別な思いが湧き上がっていた。だが、チーム合流5日目。しかもモイズ新監督にアピールしなければならない立場。「シーズンはもう始まっているので、この余韻に浸っている暇はない。どこで出ても結果を残していかないと」。満足感は一片もなかった。
後半13分、途中交代を命じられると、万雷の拍手に包まれた。「もっともっと成長しないといけないんで」。最高の「里帰り」を始点に、香川の勝負の2年目が火ぶたを切った。 (松岡祐司)
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