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【大リーグ】

黒田、日本人初4年連続2桁勝利 6回続投指示に「グッときた」

2013年7月27日 紙面から

◇ヤンキース2−0レンジャーズ

 日本人右腕2人がそろって2桁勝利に到達した。ヤンキースの黒田博樹投手(38)は25日(日本時間26日)、敵地でのレンジャーズ戦に先発し、7イニングを6安打無失点。粘りの投球で今季10勝目(6敗)を挙げ、野茂英雄も果たせなかった日本人初の4年連続2桁勝利を達成した。一方、マリナーズの岩隈久志投手(32)は地元でのツインズ戦に先発。6イニングを4安打無失点で、メジャー2年目で初の10勝目(4敗)を挙げた。岩隈はこれでツインズ戦4戦4勝、いまだ自責0と無敵状態。エースとしてチームを支える2人が、まだまだ勝ち星を重ねていく。

 物静かな男が珍しくガッツポーズを見せた。1点リードの6回2死一、三塁。この日迎えた最大のピンチで、ジラルディ監督がマウンドに向かう。交代か…と思いきや、指揮官は黒田のスタミナだけ確認してベンチへ戻った。「グッとくるものがあった。意地でも0点に抑えたいと思った」。続投指令に奮い立つと、5番ピアジンスキーの打球は左翼への痛烈なライナー。これを左翼手ウェルズがスライディングで好捕し、右腕は思わず拳を握りしめた。

 耐えてしのいだ。シンカーに本来の切れがなく、「(最初から)苦しいピッチングになるなと思っていた」。相手先発ホランドも5回まで無失点と好投。気温35度の中、1球も気の抜けない展開で支えになったのは精神力と投球術だ。「打たれたくない気持ちが強かった。配球とコンビネーションでなんとかしのげた」。細心の投球で7イニングを投げ抜き、「野球の神様がいるのかな」と笑った。

 メジャーでは日本人初となる4年連続2桁勝利。「雲の上の存在」と尊敬する野茂英雄の3年連続(1995〜97年、2001〜03年)を上回った。「今までたくさんの素晴らしい投手が(米国に)来てる中で、初めてっていうのは素直にうれしい。すごく光栄なこと」。けがなく、常にローテーションを守り続けないと手にできない勲章に手放しで喜んだが、ベテラン右腕に「慢心」の2文字はない。

 「ここ何年間かは楽して勝った試合はほとんどない。去年からこのユニホームを着て、結果を残さないといけないというプレッシャーを感じている」。ドジャース時代から援護の少なさに苦しみ、昨季からは名門ヤンキースの看板を背負う。そんな重圧と戦いながら、防御率は2・51と再びリーグ2位に浮上。「次の登板に向けて調整して、いいピッチングをするだけ」。一戦一戦に真摯(しんし)に取り組む“仕事人”。衰え知らずの38歳は、今後も黙々と腕を振る。 (アーリントン穐村賢)

 

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