7月26日の米国マーケットサマリー:円が上昇、対ドル一時97円台
7月26日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3275 1.3277 ドル/円 98.23 99.29 ユーロ/円 130.39 131.83 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,558.83 +3.22 +.0% S&P500種 1,691.65 +1.40 +.1% ナスダック総合指数 3,613.17 +7.98 +.2% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .31% -.01 米国債10年物 2.56% -.01 米国債30年物 3.62% -.02 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,321.90 -7.60 -.57% 原油先物 (ドル/バレル) 104.70 -.79 -.75%◎NY外国為替市場
外国為替市場では円が主要16通貨全てに対して上昇。日本企業の決算が期待外れとなったことでアジア株が下げ、円の逃避需要が強まった。
ブルームバーグ・ドル指数 は5日連続低下。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では緩和策の変更を示唆しないとの見方が広がっている。日本の債券市場では、インフレに敏感な10年債相場が上昇。消費者物価指数(CPI)の伸びが2008年以降で最大となったものの、10年債は買われた。日米金利差はほぼ変わらず。南アフリカ・ランドは下落。中国が国内企業に対し過剰生産能力の削減を命じたことで、貿易の先行きが懸念された。
BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で「円の全般的な上昇は、日本株の下落を反映している」と分析。「株価下落という点で、リスクオフの要素がある」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時5分現在、円はドルに対し前日比1.2%高の1ドル=98円07銭。一時97円96銭と、6月27日以来の高値を付けた。対ユーロでは1.2%上げて1ユーロ=130円31銭。ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3287ドル。
◎米国株式市場26日の米国株 は上昇。S&P500種株価指数は取引終盤に下げを埋めた。来週開かれる金融政策会合を前に、投資家は企業決算や消費者マインド指数を材料視した。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.1%未満高い1691.65。ダウ工業株30種平均は3.22ドル(0.1%未満)高の15558.83ドル。
JPモルガン・ファンズのグローバル・マーケット・ストラテジストのアナスタシア・アモローゾ氏は電話取材に対し、「市場は緩和ペースに慣れてしまい、少しでもそれが縮小されれば短期的には若干の下げ材料になる可能性がある」と述べ、「市場は金利の上昇に合わせようと調整している過程にあり、金利が上昇しても株式が終わるわけではないということに気づきつつある」と続けた。
米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は7月に85.1と、前月の84.1から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は84だった。速報値は83.9だった。
◎米国債市場米国債相場は続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)が月額850億ドルの債券購入プログラムの変更を来週の会合で示唆することはないとの観測が背景。
米消費者マインド指数が市場予想を上回ったことを手掛かりに10年債はもみ合う場面もあった。米国債は週間ベースでは3週ぶりに下落。今週は総額990億ドル相当の入札が実施され、このうち7年債入札の最高落札利回りは2011年7月以来の高水準となった。来週発表の住宅価格指数は7年ぶりの高い伸びが予想されているほか、失業率は低下が見込まれている。
ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメントの債券トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は「過去6週間にバーナンキ議長が何度発言したかを考えると、来週のFOMCではサプライズは何もないと思う」と指摘。「これまでの論点を繰り返すことになるだろう」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時37分現在、指標となる10年債利回り は1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.56%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は3/32上げて93。同利回りは週間では8bp上昇した。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は反落。米消費者マインド指数が上昇し6年ぶり高水準となったことを背景に、米金融当局が緩和策を縮小するとの観測が強まった。過去4日間では3日目の下落。
トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は7月に85.1と、前月の84.1から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は84だった。速報値は83.9だった。ブルームバーグがまとめた別のアナリスト調査によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月に債券購入の縮小を開始すると予想されている。FOMCは30、31両日に次回会合を開く。
フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「市場は経済指標に非常に敏感になっている」と指摘。「来週の会合が極めて重要だ」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.6%安の1オンス=1321.90ドルで終了。一時は0.9%上昇する場面もあった。
◎NY原油先物ニューヨーク原油相場は反落。週間では約1カ月ぶりの下落。製造業の余剰生産能力削減へ向けた中国の取り組みが燃料消費の減少につながるとの見方が広がった。
中国は19業種1400社余りに対し、年内に余剰生産能力を削減するよう命じた。より緩やかで持続可能な経済成長にシフトするための取り組みの一環。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は19日に109.32ドルまで上昇し、2012年3月以来の高値を付けた。米経済回復の兆しと原油供給の減少が背景にあった。
トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「中国が余剰生産能力の削減を企業に命じたとのニュースで、同国の景気減速とエネルギー需要への影響が再び懸念されるようになった」と述べた。「先週付けた1年4カ月ぶりの高値からの調整はまだ終わっていない」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比79セント(0.75%)安の1バレル=104.70ドルで終了した。終値ベースでは9日以来の安値。週間では3.1%の値下がり。年初からは14%上げている。
更新日時: 2013/07/27 05:33 JST