Updated: Tokyo  2013/07/27 09:12  |  New York  2013/07/26 20:12  |  London  2013/07/27 01:12
 

米国株:下げを埋める、金融政策会合前に決算や統計を材料視

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  7月26日(ブルームバーグ):26日の米国株 は小幅高。S&P500種株価指数は取引終盤に下げを埋めた。来週開かれる金融政策会合を前に、投資家は企業決算や消費者マインド指数を材料視した。

世界最大のコーヒー店チェーン、スターバックスは上昇。利益が予想を上回った。オンライン販売のアマゾン・ドット・コムも上昇。オッペンハイマーが株価予想を引き上げたことが好感された。一方、オンライン旅行サービスのエクスペディアは急落。売上高と利益が投資家の失望を誘った。

S&P500種 株価指数は前日比0.1%未満高い1691.65。ダウ工業株30種平均は3.22ドル(0.1%未満)高の15558.83ドル。

JPモルガン・ファンズのグローバル・マーケット・ストラテジストのアナスタシア・アモローゾ氏は電話取材に対し、「市場は緩和ペースに慣れてしまい、少しでもそれが縮小されれば短期的には若干の下げ材料になる可能性がある」と述べ、「市場は金利の上昇に合わせようと調整している過程にあり、金利が上昇しても株式が終わるわけではないということに気づきつつある」と続けた。

米消費者マインド指数

米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は7月に85.1と、前月の84.1から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は84だった。速報値は83.9だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、米金融当局は9月に資産購入の縮小を開始すると予想されている。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、9月に緩和縮小が開始されるのかどうか「判断するのは時期尚早だ」と述べた。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月30-31日に開催される。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によれば、4-6月(第2四半期)の実質GDPは1%増と、前四半期の1.8%増から減速が予想されている。また7月の雇用統計では18万5000人の雇用増と、前月の19万5000人増から伸びが縮小するとみられている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、これまでに第2四半期決算を発表したS&P500種構成企業260社のうち、利益が予想を上回ったのは73%となっている。売上高が予想を上回ったのは57%。 

今後のファンダメンタルズ

ヘイバーフォード・インベストメンツの調査ディレクター兼ファンドマネジャー、ティモシー・ホイル氏は、「ファンダメンタルズはこれまでは良好だった。しかしここからのファンダメンタルズは一段高を支援しないだろう」と述べ、「企業が得ている利益は効率化や低コスト、低金利によるものだ。景気からは末端市場の需要はまだ見えない。これこそ株価の上昇に必要なものだ」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は1.9%低下の12.72。VIXは約80%の確率でS&P500種と反対方向に動く。VIXは年初からは29%低下している。

スターバックス は7.6%高。ハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は売り上げ増を図るため、店舗内でのフード販売やコーヒー以外の飲料に力を入れてきた。4-6月(第3四半期)決算は純利益が1株当たり55セントと、アナリストの予想平均(53セント)を上回った。同社は今年度通期の利益見通しを上方修正した。

アマゾンは2.8%高。オッペンハイマーのアナリスト、ジェーソン・ヘルフスタイン氏は株価予想を367ドルと、従来の325ドルから上方修正した。4-6月期の粗利益の伸びが予想を上回ったほか、安定した売上高を上方修正の理由に挙げた。

エクスペディア は27%急落。4-6月期決算では一部項目を除くベースでの利益が1株当たり64セントと、アナリスト予想平均値の同81セントを下回った。

原題:U.S. Stocks Erase Losses as Investors Weigh Earnings,Economy(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lu Wang lwang8@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/27 06:34 JST

 
 
 
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