名古屋グランパスのMF小川佳純(28)が26日、“中間管理職”を自任した。愛知県警岡崎署が署員教育のために催した山岡署長との対談企画にGK楢崎主将とともに協力。チーム内での自らの役割について、「ベテランと若手の橋渡しをする。中間管理職に徹したい」と語った。
サラリーマンならぬ、Jリーガーにも中間管理職がいた。岡崎署が企画した警察署長とサッカー選手との珍しい対談。話題がリーダー論に移ると、小川が隣の楢崎を見やりながら語り始めた。
「ナラさんは周りに言うタイプじゃない。ボクは年齢的にもちょうど真ん中ぐらいだし、上の人から言われたことを若手に伝えなきゃいけない。中間管理職っていうのは、好きな言葉ですね」
グランパスでは最年長の37歳楢崎を筆頭に、闘莉王、玉田、中村、増川、田中隼と主力を30代が占めている。一方で出場機会が少ない20歳前後の選手も数多い。28歳の小川が「中間管理職」として自らに課したのは、2つの世代のギャップを埋める役割だ。
日頃からベテラン、若手と分け隔てなく接している。小川は「ナラさんは(悩んで)静かになるときがある。ポジティブ人間のボクが声をかけて支えないと」と主将のサポート役も進んで務める。若手へのアドバイスも惜しまない。「自分も大卒で入ってきたときは周りを考える余裕がなかった」。チームにとっては貴重なキャラクターだ。
楢崎は小川に最敬礼する。「こういうヤツがいないとチームはうまく回らない。助かっていますよ」。今季はプレーでもチーム最多6得点と好調をキープ。世の会社では駆け出しの年齢にあたる28歳・小川が、中間管理職を全うしている。 (木村尚公)
◆楢崎、前向き“管理職”
“管理職”のGK楢崎は対談で、ネガティブ思考を廃することが大事と説いた。「失敗しても次に取り返せばいい。負けているときはいろいろ問題も出てくるけど、前向きに改善できるグループでありたい」と語った。岡崎署の山岡署長は「あこがれのサッカー選手の言葉なら、若い署員にも伝わりやすい」と大感謝。対談ビデオを警察官教育の教材として有効活用する方針だ。
この記事を印刷する