TPP会合が閉幕/ 国益かけた困難な交渉始動/重要5品目に関して具体的な主張なし/首かしげる先行参加国
TPP交渉会合後に開かれた各国首席交渉官の共同記者会見。左端は鶴岡公二首席交渉官=25日午後、マレーシア・コタキナバル(共同) |
工業品や農産品の関税撤廃は意見の対立が厳しく、8月22日からの次回のブルネイ会合以降に結論が持ち越された。各国は工業製品、農産品などの「市場アクセス」の議論を加速する作業計画に合意した。
日本は関係文書の分析や会合への出席で集めた情報を基に、次回交渉への戦略を策定するのが急務となる。国益をかけた困難な交渉が始動した。
鶴岡氏は会見で、「日本の(基本的)立場を表明する機会があった」と説明。 重要5品目の関税撤廃の例外に関しては「(日本と先行国の)1対11の交渉を買って出るというのはしていない。日本の立場を知らない人はいない。それは確認してある」と述べた。TPPの関税の協議は2国間を中心に進むことが多いとみられ、首席交渉官が一堂に会する場で例外を主張するのは、得策でないとして見送ったもようだ。
各国の首席交渉官は共同記者会見を開き、マレーシアのジャヤシリ首席交渉官は「日本の参加を誇りに思う」と述べた。次回のブルネイ会合の日程を8月22~30日と正式発表し「年内妥結を目指す」と強調した。
対立が厳しい「繊維」は独立して議論することにした。今後も協議の枠組みを見直す可能性がある。
日本は安倍晋三首相が3月に交渉参加を正式表明してから約4カ月を費やし、23日午後(日本時間同)に合流した。
■日本デビューは肩すかし? 首かしげる先行参加国
【コタキナバル共同】「センシティブ・グッズ(重要品目)でいよいよ日本の主張を聞けると思っていたが、今回はなかった」。マレーシア東部コタキナバルで開かれた環太平洋連携協定(TPP)交渉会合で、鶴岡公二(つるおか・こうじ)首席交渉官が日本の立場を述べたものの、重要5品目に関して具体的な主張をしなかったことに、先行国の交渉関係者は25日、一様に首をかしげた。
鶴岡氏は23日の首席交渉官会合に初めて合流。24、25日には日本だけのために設けられた集中会合に参加。ただ発言は「質問や論点整理が中心」(同席した関係者)だったという。
日本の交渉団が「聖域」死守を掲げ、乗り込んでくることは先行国の交渉担当者にも広く知られている。しかも、残りの日程が限られており、鶴岡氏が最終日の25日に「農産品の関税撤廃の例外扱い」に何らかの形で言及するとの見方が先行国の間に広がっていた。
だが、こうした予想は結果的に“肩すかし”に終わったようだ。
関係者によると、鶴岡氏は会合でとりわけ繊維の原産地規則や、国有企業の優遇撤廃をめぐる問題に関心を寄せ、25日も「どれがクローズ(合意)で、どれがオープン(交渉中)なのか」といった質問を重ねた。
また鶴岡氏は24日の日本集中会合の後に、米国などとの2国間協議を精力的にこなしていたという。
(共同通信)